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2024年07月31日 18時45分

「良い色のメダルを」パリ五輪・競泳代表の水着 丹精込めて作る西都市の工場

特集はパリオリンピックの話題です。
現在、開催されているオリンピックの競泳種目で日本代表選手が着用している水着は、実は、西都市の工場で作られたものなんです。

選手たちが好記録を生み出すためのこだわり、工場で働く従業員の思いを聞きました。

スポーツウェアメーカー・デサントの西都工場。

およそ100人の従業員が働くこの工場では、世界的な水着ブランド「arena」のトップモデル「アクアフォースストーム」をアジアで唯一製造。

パリオリンピックに出場している日本代表選手のうち、本多灯選手や鈴木聡美選手など10人が着用しています。

(デサントアパレル西都工場 塩月圭工場長)
「丹精込めて作った商品なので、これを着て良い色のメダルをとってもらうのが励みになる。応援に力が入る」

世界で通用する水着を作るこの工場は、今からおよそ50年前、トレーニング用のジャージを作る工場として創業しました。

(デサントアパレル西都工場 塩月圭工場長)
「トレーニング用のジャケットとパンツだけでは、対応力が少ないということで、もっといろんなものを作ろうという中で、arenaの水着を作り始めた」

西都工場で作られた水着は、2004年のアテネオリンピックで使用されて以来、100分の1秒単位でタイムを競うトップスイマーたちに愛されるブランドとして定着しました。

この水着には選手のタイムを縮めるためのあるこだわりが…。

(早瀬純哉記者)
「こちらは実際にパリオリンピックでも使われている競泳水着なんですが、こちらをご覧ください。わかりますでしょうか。ここが継ぎ目ですが、糸が使われておりません」

(デサントアパレル西都工場 塩月圭工場長)
「どうしても針と糸で生地をくっつけると、そこに水がしみ込んだり段差ができたり水の抵抗が生まれるということがある」

糸の代わりに使われている特殊なテープ。
このテープと生地を重ね、熱と圧力でくっつける接着縫製という技術で、水着と水の抵抗を極限まで減らしています。

さらに、股関節の動きをサポートし、力強いキックを持続させるねじれ構造を取り入れるなど、選手の意見を聞きながら、4年以上試行錯誤を重ねて製造されました。

オリンピック用の水着を作ることができるのは、工場の中でも特に高い技術をもった10人のみです。

(デサントアパレル西都工場 江藤法子さん)
「毎日が自分自身との闘いでもあるし、選手も日々努力してタイムを上げている」
「天候や気圧は毎日違うので、ちょっとしたミスで大きなミスになる。毎日の積み重ね」

工場で20年以上、水着の製造に携わっている江藤法子さんは、選手たちが西都市で作られた水着を着用し、パリの大舞台で活躍することを願っています。

(デサントアパレル西都工場 江藤法子さん)
「(日本代表選手が)今回作った水着を着ていたので、自分もその場にいるような感じで応援をしていた」
「パリという遠い地ではあるが、心はパリに行っている気持ちで応援しているので、最後まであきらめずに頑張ってください」

7月31日(水)

7月29日(月)

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