番組表
#〇〇がお伝えします!
2024年06月04日
不妊に悩む人たちへ 経験者が伝えたいことは(2024年06月03日放送)
「私がお伝えします」のコーナー、テーマは『不妊治療』についてです。
近年、不妊治療については様々な治療法があり、県や各自治体による治療費の助成も行われています。
今年3月に発表された厚生労働省のデータによりますと、不妊を心配したことがある夫婦は約2.6組に1組の割合。
実際に不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は約4.4組に1組の割合になっています。
テレビ宮崎が不妊治療についてアンケート調査をしたところ、回答者の約6割が不妊治療をしていた、または現在しているという結果になりました。
その中には・周囲に伝えることを躊躇する・職場での理解を得られなかった・人生で一番つらい時期・仕事との両立が難しく退職したなどの声が寄せられました。
デリケートな問題であるがゆえに分からないことも多い不妊治療。実際に不妊治療を経験した人に話を聞きました。
現在、第2子を妊娠中の27歳の女性は、一人目を妊娠するときに不妊治療を行いました。
(不妊治療を経験した女性)
「1年以上できなかった。夫との間にも何となく雰囲気が悪くなって落ち込んだ。このままずっと授かれなかったらどうしようという先が見えない感じはありました。その不安から24歳のときに病院で検査を受けたところ、排卵しづらい多嚢胞性卵巣症候群ということが分かりました。妊娠できない理由があって、原因がわかって治療が進んでいっていたので、逆に安心はありました。」
この女性は治療することによって妊娠・出産することができました。
「何となく負のイメージというか、どこかが悪いとか、病気だというイメージがあると思うのでそうじゃないんだよって。病院に行くことで、前に進めることがわかったので、悩んでることがあれば、不妊治療にぜひ行ってほしい。」
もう一人、不妊治療の経験を話してくれたのは、県議会議員の下沖篤史さんです。
37歳のときに3つ年上の妻と結婚しました。
妻が41歳になり、あと1年しか不妊治療の保険適用にならないという中で踏み切ったと言います。
不妊治療を行った1年間で、体外受精のため妻の卵子を6回採取。
しかし、体外受精はうまくいきませんでした。
(県議会議員 下沖篤史さん)
「卵子を取るときに、針で子宮を刺して卵巣まで行って取ったりするので、やはりその痛みが発生したり。6回は6回でも、その中で子宮まで戻せたのが1回です。それでもそれが着床しなかった。あとの5回は培養してる中で分裂が止まったりした。妻が一番つらいと思いますので、「また今回も駄目だった」と言うので、落胆してるのを見るのが自分としてもつらかった。」
その後、下沖さん夫婦は一旦、治療に区切りをつけました。
下沖さんは、「不妊に悩む前から検査をしてほしい」と話します。
(下沖篤史さん)
「自然に任せようと思って何年と経ってしまって、ギリギリになったらなかなか難しいところがありますので、ぜひ早めに踏み出していただけたらなと思います。」
今回インタビューに協力してくれた2組に共通していたのは『早く踏み出してほしい』ということでした。
県産婦人科医会の川越靖之会長も『不妊治療を始める年齢が遅いこと』を指摘します。
日本人の不妊治療開始の平均年齢は40歳。
「チャンスが少なくなる」「生理がある限り妊娠できると思ってはいけない」「不安があれば、まずは検査に行ってほしい」ということです。
こうした中、宮崎市は去年8月からLINEによる妊活サポート事業を始めています。
一部の有料コンテンツも、宮崎市民は無料で利用できます。オンラインのほかテキストでも相談できるので、利用者からは・性別に関係なく相談しやすい・落ち着いて自分の悩みを伝えられるといった声が届いているそうです。
『不妊治療=何かが悪い』とうことではなく、誰もが向き合うことという認識が広まって不安や悩みを抱えている人たちが治療に踏み出しやすい環境づくりが進んでほしいと感じました。