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2024年08月26日 18時44分

「子供たちは校庭に45分待機させられた」石巻・大川小学校の映画上映 遺族の男性が伝えたいこと

2011年の東日本大震災で多くの子供たちが犠牲となった、宮城県石巻市の大川小学校。小学5年生の娘を亡くした男性が25日、宮崎市を訪れました。男性は「大川小学校の悲劇を他人事と考えないでほしい」と、日頃からの備えを訴えています。

8月23日から宮崎キネマ館で上映されているドキュメンタリー映画「生きる」 2011年、東日本大震災による津波で児童74人・教職員10人が犠牲となった大川小学校。

(吉岡弁護士)
「子供たちは校庭に45分間、待機させられた。」

地震の発生から学校に津波が到達するまでおよそ51分あり、すぐ逃げられる裏山があったにもかかわらず、なぜ悲劇が起きたのか?映画は、行政による説明会や第三者検証委員会、その後の裁判に至るまで、真実を追い求める遺族たちがおよそ10年にわたって記録してきた映像をもとに制作されました。

(紫桃隆洋さん)
「亡くなった子供のあの時の声、あの時の様子、あの校庭で「お父さん・お母さん早く来ないか」と叫んでいたのか、それを知りたいんです。」

25日、宮崎キネマ館で開かれたトークイベントには、寺田和弘監督と、大川小学校で小学5年生の娘・千聖さんを亡くした紫桃隆洋さんが参加しました。

(紫桃隆洋さん)
「学校に行ったら先生の言うことを聞いて、先生は間違っていない、命の助かる最善の行動をとってくれると信じたいですけど、先生方が目の前の子供の命を見失い、自分の命さえも見失ってしまった。そのことが現実としてあの校庭で起きたことです。」

遺族が石巻市と宮城県を相手取った裁判は、学校側の防災対策の不備を認める判決が2019年に確定。しかし、「あの日、学校で何があったのか」。その真相は明らかになっていません。

(寺田和弘監督)
「紫桃さんたちは、事実が何があって、そこからどういう教訓があったのかお話しされたいけど、まだお話しできる状況ではない。忸怩たる思いを抱えながら、それでも皆さんに自分たちの命・子供の命を守っていただきたいという思いで語り部活動をされています。」

(紫桃隆洋さん)
「いろんな災害の中で、ほとんどの人たちが「想定外のことが起きた」という。大川小学校も同じように校長先生が想定外と話した。何が想定なんですかと私は思っています。」

親として子供の命を守るためにできることはなかったのか、今も後悔の念を抱いている紫桃さん。

(紫桃隆洋さん)
「宮城県沖地震が99%くると言われながら、子供の命につながらなかった。その思いが一番残っていて。遠いところで起きた災害の中の悲劇として、他人事として考えるのではなくて、もし自分たちのこの場所で災害が起きた時に、自分の家族を自分の命をどう守っていくのか、そういったことに気づいていただくきっかけになればと思います。」

紫桃さんは、「災害が起きた時に命を守る方法を家族で話し合っておいてほしい」と訴えていました。この映画は、宮崎キネマ館で9月5日まで上映されています。

8月29日(木)

8月28日(水)

8月27日(火)

8月26日(月)

8月23日(金)

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