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2024年10月10日 18時44分

実りの秋を脅かす 鋭くとがった爪の「害獣」とは? オリの中で凶暴さを見せる

実りの秋を迎える今、生産者の頭を悩ませる害獣がいます。先日、その動物が捕獲されたということで取材してきました。

訪ねたのは、宮崎県綾町のミカン畑。畑には、動物によって食い荒らされた形跡が…。

(柑橘農家 児玉隆一さん)
「ちょうど収穫間近になったミカンとかを食べる。せっかくお金になる寸前で、相当ダメージがある。」

野生の動物による農作物への被害は、シカ・イノシシ・サルがトップ3ですが、児玉さんの果樹園は高く頑丈な柵に囲まれていて、シカやイノシシによる被害ではなさそうです。

では、サルが柵を乗り越えて侵入したのでしょうか?鳥獣被害の対策アドバイザーの見解は…。

(室屋さん)
「サルはちぎって持って帰って食べることが多いけど、残骸が落ちているので違う。」

サルでもないということでした。では、その正体とは…。
先日、こちらの畑で捕獲されたということで見せてもらうと…。

(児玉泰一郎アナウンサー)
「あ、結構大きいですね。この生き物なんですかね?タヌキのような、『ガシャッ』(檻にぶつかる)ものすごく狂暴です。この生き物は?」

(室屋さん)
「アナグマです」

(児玉アナ)
「アナグマ!」

アナグマと言いますが、実はイタチ科の動物。日本に古くから生息し、雑食で、甘い果物を好むアナグマがミカンを食べた犯人でした。

(室屋さん)
「この地際の部分を見てみるとここに穴が」

(児玉アナ)
「確かにここだけ掘ってスペースがある」

地面を掘って柵の下からアナグマは侵入したということです。
それを可能にしているのが…。

(児玉アナ)
「爪もすごいですね。穴を掘るのに便利なように鋭くとがっている」

アナグマの被害は各地で確認されています。
えびの市の果樹農家に話を聞くと…。

(農家 東洋一郎さん)
「袋を破って中の実を食べうる被害、7月末に。カラスが袋を破って食べることが過去にあったので最初カラスかと思ったんですけど」

男性の果樹園に監視カメラを設置すると、そこにはアナグマの姿が映っていました。アナグマは鋭い爪を使って木に登ることもできるそうです。
その鋭い爪を使った被害は他にも…。

農業用ハウスの外にいるアナグマ。シートに手をかけるとあっという間に穴を空け、20秒ほどでハウスに侵入。中のイチゴを食べられてしまいました。

(室屋さん)
(Q.施設に被害を与える度合いでいったらアナグマは他の動物と比べると?)
「ビニールハウスのなかに入ってくるのは、アナグマが一番多い印象を受けます。作物だけではなくて、ビニールハウスの修繕も大打撃を受けてしまう」

そのアナグマの被害に気を付けなければいけないのがまさに今の時期です。

(室屋さん)
「冬に備えて春夏に比べると体重は1.5倍~2倍近く」

(児玉アナ)
「収穫の秋というのは、アナグマによる被害を受けるのも多くなる?」

(室屋さん)
「一番多くなる」

アナグマは、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群=SFTSに感染しているケースもあるため、見つけても絶対に触らないようにしてください。

見た目はかわいらしいですが、鋭い爪で農業被害も多い。県のまとめによりますと、アナグマやタヌキなどの中小型獣による農作物などへの被害額は、昨年度がおよそ2600万円で、シカ・イノシシ・サルに次いで多くなっています。

アナグマ対策は掘り返しができないような柵や電気柵が有効です。アナグマの被害があった場合は市町村の担当窓口に相談してみてください。

自分の土地であっても罠を仕掛ける際には市町村の許可が必要です。
児玉がお伝えしました。

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