番組表
2025年01月15日 18時45分
大切な思い出が見られなくなるかも… ビデオテープの2025年問題
こちらのVHS、「ビデオテープの2025年問題」といって、今年、再生できなくなる可能性があると言われているんです。
(早瀬純哉記者)
「懐かしの思い出やお宝映像が詰まったこちらのVHS。もうすぐ見られなくなるかもしれません」
宮崎市の映像サービス専門店には、「VHSやカセットテープをDVDなどにダビングしてデジタル化してほしい」という依頼が増えているといいます。
(ビデオテレビ宮崎 百市睦男さん)
「誰も来ないという日は珍しいくらい。1日に1人、2人は来店する。(持ち込まれる映像は)家族の映像や子供の成長記録がほとんど」
VHSは、1980年代から1990年代にかけて、家庭用ビデオとして世界的に普及。2000年代に入ると、DVDなどのデジタルメディアの台頭により、VHSの利用は急速に減少し、すでにテープ本体や再生機器は生産を終了しています。
それがなぜ今、「ビデオテープの2025年問題」と言われているのか?
2019年に国連教育科学文化機構=ユネスコが、再生機器の不足やテープの劣化を理由に「VHSなどの磁気テープは2025年までにデジタル化しなければ見られなくなるかもしれない」と警告したためです。
(ビデオテレビ宮崎 百市睦男さん)
「ビデオテープは一酸化鉄の粉末が塗装してあるので、磁気を持っているものの近くに置くと劣化する。一番怖いのはカビ。10本来たら近頃は2~3本カビが生えている」
ビデオテープの劣化などの影響があるのは、家族の思い出だけではありません。県立図書館には現在、約5600本のVHSが貯蔵されていますが、デジタル化はほとんど進んでいないといいます。その理由は…。
(県立図書館情報提供課 鷹巣真宏さん)
「16mmフィルムの方が劣化が激しく、このままでは再生できないものもたくさんあるということで、16mmフィルムから優先してデジタル化をしている」
現在、デジタル化が終わっている16mmフィルムは約1500本のうち7本。また、VHSのデジタル化に着手できても、内容の精査や著作権に基づき複製が可能かどうかの確認があるため、すぐには終わらないのが現状だといいます。
(県立図書館情報提供課 鷹巣真宏さん)
「ここにしかない郷土に関する資料、宮崎県に関する資料は、県民の大切な財産なので、しっかりと保存して提供できるようにするのが大事」
県立図書館は今後、県内の郷土や文化に関する映像を優先的にデジタル化する予定だということです。