番組表
2025年01月28日 18時46分
実はおいしい凶暴な〇〇 「未利用魚をおいしく食べる」をめざす川南町の挑戦
宮崎県川南町で漁師の厄介者となっている「ある魚」をおいしく活用するための試みについてお伝えします。
商品価値のなかった魚をブランド化し、漁師の所得向上も目指します。
27日、川南町や地元の漁協、商工会など5つの団体が締結した連携協定。
その内容は、これまで商品価値がないため、釣れても海へ戻していた魚の活用を目指すものです。
この協定では未利用魚の活用とありますが、それは「サメ」です。
主にマグロを水揚げしている川南漁協。
漁師歴50年、川南町漁協の俵伸二組合長によると、ここ4、5年で、魚と一緒にシュモクザメなどのサメが年間を通して網にかかるようになったそうです。
(川南町漁業協同組合 俵伸二組合長)
「漁師に (サメを)取って来い と言えば 1トンやそこらはすぐ釣るよ って」
「500キロくらい仲買さんが買ってくれるということで、取ってきてと(漁師に)言ったら、1日で終わった量が取れる」
一方で、サメはアンモニア臭が強く加工に手間がかかる上に卸売価格が非常に安く
収入にはつながりません。
今の時期、キハダマグロが1キロ1500円~2000円で取引されるのに対し、サメはなんと1キロ50円にもならず…。
サメが仕掛けにかかっても収入につながらないため、漁師は大量のサメを海へ戻しているのが現状です。
さらに厄介なのが…
(川南町漁業協同組合 俵伸二組合長)
「サメが来て、魚を食うついでに 縄も切断するから縄がなくなったりと」
「だから大赤字なんですよね」
「(サメが)多いから結構魚が食べられて、商売・仕事にならない」
漁師が頭を抱える厄介者のサメに利用価値を見出すべく、連携協定によって動き出すプロジェクトでは加工や調理に精通した2人がブランディングアドバイザーに就任しました。
1人は、オリジナルブランド豚を生産・加工・販売するゲシュマックの山道洋平社長。
主にサメの臭み対策や加工の省力化をサポートします。
(ゲシュマック 山道洋平社長)
「業種は違うんですが、弊社の今までのノウハウをアウトプットできればと思っています」
そして、もう一人が、川南漁港のすぐ近くで生まれ育ち、父親が漁師というイタリアンレストランのシェフ俵 哲也さん。
昔ながらの「漁師めし」をヒントにサメの活用策を考えたいと話します。
(イタリアン食堂Tawara 俵哲也さん)
「フカ(サメ)なんかは、干物で食べられている方もいらっしゃるし、普通にフライにして食べられる方もいらっしゃいます」
「まったく新しいものではなく、この料理にした時にちょっとここが問題なんだよな、というところに自分たちがコメントできればなと思っています」
サメを町のブランド魚に確立し、商品価値を高める。
そして、誰もが食べられる形で広く流通させる。
心強い2人のアドバイザーの協力を得て、川南町は、この試みを漁師の所得向上につなげたいとしています。