番組表
2025年01月29日 18時49分
県産牛肉をイスラム圏へ 西都市のハラール食肉処理施設からカタールに初出荷
宮崎県産牛肉が初めてイスラム圏に輸出されます。
西都市にある食肉処理施設でイスラム教徒が食べられるよう処理された牛肉が中東のカタールに輸出されることになり、29日、出発式が行われました。
(秦萌記者)
「こちらがカタールへ初めて輸出される牛肉を乗せたトラックです。輸出拡大へ大きな一歩となります」
29日の出発式には、県内の畜産関係者などおよそ40人が出席。
食肉処理施設「SEミート宮崎」の有田米増代表取締役があいさつしたあと、テープカットをしてイスラム圏への初めての輸出を祝いました。
SEミート宮崎は、県内4つの畜産会社とミヤチクが協力して去年2月に操業を開始。
アラビア語で許されたものを示す「ハラール」の専門知識を持ったバングラデシュ出身のイスラム教徒が、戒律に沿って牛の処理を行っています。
イスラム圏に輸出するには輸出先の専門機関から「ハラール認証」を受けたあと、二国間協議を経て認可を得る必要があります。
SEミート宮崎では、去年8月にアラブ首長国連邦、10月にカタール、11月にインドネシアの専門機関からハラール認証を受け、去年12月にカタールとの二国間協議が成立。
今回は、A5等級の宮崎牛のヒレ、ロース、肩ロース、ラム、イチボあわせて11ケース150キロがレストラン向けに輸出されます。
(SEミート宮崎 有田米増代表取締役)
「(イスラム圏では)和牛というものがまだ伸びていない」
「我々が宿命としてイスラム圏への輸出を頑張っていかないといけないと思っています」
昨年度の県産牛肉の輸出額はおよそ84億円で、前の年から6%増加。
アメリカや台湾などへの輸出がほとんどを占めていて、世界の人口の4分の1を占めるイスラム教徒向けに販路を広げることが課題となっていました。
(SEミート宮崎 有田米増代表取締役)
「イスラム圏、世界人口の4分の1のところをターゲットとして送ることに意義があって、インドネシア、マレーシア、中東諸国に向けてのレールを引くことによって、お客様と生産者がつながるパイプとしての役目をやらないといけないと思っています」
SEミート宮崎では、カタール以外のイスラム圏の国々にも輸出を拡大し、欧米などで浸透しつつある宮崎牛のブランドを全世界で確立したいとしています。