番組表

2025年03月18日 18時45分
地価から見る宮崎県内経済「コロナ禍からの回復や中心市街地再開発が商業地の地価に反映され始めた」
今年の宮崎県内の地価公示のポイントの1つが、実に34年ぶりとなる商業地の価格の上昇です。この要因について、今回の地価調査をとりまとめた不動産鑑定士は、「宮崎市の経済活動の活発化が県内全体の商業地の地価上昇に貢献した」と分析しています。
(黒木総合鑑定・黒木勇人社長)
「商業地の地点数として設けられているのが、宮崎市が県庁所在地なので一番多い。その中でも、宮崎市は上昇しているところが多く、上昇率も大きいので全体を均したときにトータルでプラスに転じた。」
こう話すのは、地価調査の宮崎県代表幹事を務める不動産鑑定士の黒木勇人さんです。県内の商業地69地点のうち、およそ4割を占める宮崎市。新型コロナウイルスの影響で、県内最大の繁華街「ニシタチ」の地価は下落に転じていたものの、客足が戻ったことで去年回復しました。
(黒木総合鑑定・黒木勇人社長)
「コロナ以前の状態と変わらないくらいの人の出があるようになった。商業地に対する不動産投資意欲が以前の状態に戻り、ぐっと高まった。直近2~3年停滞していたものが完全に元に戻った状態というのが地価上昇の一番大きい要因。」
特に宮崎市における不動産投資の中でも顕著なのが…
(早瀬純哉記者)
「宮崎市の中心市街地では、県内最高層、20階建てのタワーマンションが建設されるなど、マンションの建設ラッシュが続いています。」
黒木総合鑑定のまとめによりますと、宮崎市では2020年以降、19棟の新築分譲マンションが建設されていて、今後も少なくとも6棟が建設されることが分かっています。このうち21棟は宮崎駅から半径1キロ圏内に集中。このエリアには、4月に複合商業施設の「HAROW」がグランドオープンするなど再開発も盛んです。
(黒木総合鑑定・黒木勇人社長)
「年齢層の高い方が人口比率の中で増えていく中で、車の運転の問題などがある中で、便がいいところに住みたいというニーズに高まりがある。」
またタワーマンションの販売担当者によると、空港までの利便性や、マリンスポーツやゴルフなどを楽しめるリゾート地としての需要が高いことなどから、他県のマンションに比べて県外の購入者が多いという特色もあるということです。
(黒木総合鑑定・黒木勇人社長)
「地価が上昇しているところに不動産投資が来ているというよりは、需要が出てきたから不動産の価格が上がり始めている。宮崎県全体を見た時に、この5~10年の中で比べれば、地価は機運的には盛り上がりを迎え、良い回復期を迎えている。」
景気を表す1つの指標となる「地価」。コロナ禍からの回復や中心市街地の再開発の影響が商業地の地価に反映され始めたことが、今回の調査結果からは読み解けます。