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2025年04月02日 18時47分
「安全宣言ではない」 新燃岳の警戒範囲縮小 専門家が指摘

3月30日に噴火警戒レベルが「3」に引き上げられた新燃岳について、気象庁は、火山活動のさらなる活発化は見られていないとして、警戒範囲を縮小しました。
専門家は「安全宣言ではない」として、引き続き注意するよう呼びかけています。
宮崎と鹿児島の県境に位置する霧島連山の新燃岳では、火山活動の更なる活発化は見られないとして、気象庁は2日に大きな噴石などに警戒が必要な範囲を火口からおおむね4kmからおおむね3kmに縮小しました。
3月30日から通行止めになっていたえびの高原から鹿児島県につながる県道1号も規制が解除されました。
噴火警戒レベルは入山規制の「3」が継続されています。
鹿児島大学で火山を研究する井村隆介准教授は、今回の火山活動について次のように分析しています。
(鹿児島大学 井村隆介准教授)
「気象庁の運用では、レベル3では基本的に(警戒必要範囲を)3kmにするということになっていた。それがいきなり「4km」になったということは、本当に噴火が始まってもおかしくない現象が観測されていたんだと思います。」
井村准教授は、新燃岳の噴火のリスクはなくなったわけではないと指摘し、2011年のマグマ噴火を例にあげて引き続き注意を呼びかけています。
(鹿児島大学 井村隆介准教授)
「2011年の噴火では、3km警戒だったが、3.4km飛んだんですよね、火山弾が。そういうこともあったので、決してそれより外が安全だというわけではなくて、生きている山だときちんと理解しておくことが必要だと思います。」
「安全宣言と取られることが一番怖いです。」
井村准教授は、地鳴りや噴煙などの異変を感じた場合は、気象庁や自治体から情報が発表されるのを待たずに、身を守る行動を取ってほしいと話していました。