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2025年04月15日 18時47分

「山間地から日本刀文化を発信」刀匠・松葉一路さんの新たな挑戦 狙うはインバウンド誘客

宮崎県の無形文化財で刀匠と呼ばれる日本刀を作る職人・松葉一路さんが、日之影町に鍛刀場を整備しました。山間部にインバウンド客を呼び込もうという新たな取り組みを取材しました。

日向市生まれの刀匠・松葉一路さん(66)。日本美術刀剣保存協会で無鑑査認定され、2022年には県の無形文化財に指定されている日本有数の刀匠です。

松葉さんは今年2月、日之影町に日本刀を作る新たな鍛刀場を、弟子の森本成美さんとともに整備。3月23日には、この地で刀を作ることを神様に報告する火入れ式を行い、決意を新たにしました。

(刀匠 松葉一路さん)
「これからやるぞという感じです。現代刀の中でも最高のものを作っていきたいと思う」

(弟子 森本成美さん)
「目指すは名刀。それが先生との目標なので実現していけたらと思います」

元々、松葉さんは日向市で刀作りを行ってきましたが、今回、日之影町に鍛刀場を整備したのには新たな狙いがありました。

それは、インバウンド客です。

日本の伝統工芸品である日本刀は海外でも人気。松葉さんの刀の購入者のうち約7割が外国人で、松葉さんが海外に出向いて商談することもあります。

(刀匠 松葉一路さん)
「刀鍛冶の体験をしてもらおうということです。ふいごをふいてもらって、玉鋼を赤めてつぶす」

新たな鍛刀場は、インバウンド客が見学に訪れることを想定し、通常は片膝をついたりして行う作業を、椅子に座って行えるようにすることで、刀鍛冶の体験をしやすくしています。

また、合気道の師範でもある松葉さん。武術や真剣を使った試し切りなどの体験も行う予定です。

(刀匠 松葉一路さん)
「(日本刀は)美しさを競ってきた武器という世界に絶対ない稀有な存在です。そこが日本人の日本人たる所以の最も現れている道具ではないかと思います。もっと深く、多角的に体験できる場になるようにこれからしていきたいと思います」

さらに、鍛刀場は、これから刀鍛冶を目指す人たちの修業の場にもなります。

ふいごやハンマーなどを2組そろえ、弟子の森本さんが修業できる環境を整えました。

(弟子 森本成美さん)
「皆さん命がけでやっているので、頑張っている皆さんと刀剣界を盛り上げていけたらと思っています」

松葉さんは、鍛刀場周辺の山並みが刀の波紋に似ていて、作品作りにいいインスピレーションを与えてくれると話します。

(刀匠 松葉一路さん)
「刀鍛冶の生き方として、こういう山間地、田舎で日本刀文化を発信できて、一つのモデルケースになれるかもしれませんね」

日本の文化を日之影町から世界へ。松葉さんの新たな挑戦が始まりました。

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