番組表

2025年04月22日 18時50分
宮崎本大賞 芥川賞作家・藤野千夜さんの「じい散歩」 宮崎市で授賞式
宮崎県内にある書店の店員などが選ぶ「宮崎本大賞」の授賞式が 22日宮崎市で行われました。
「宮崎本大賞」は、書店の店員や図書館司書などが、去年6月までの1年間に出版された文庫本から、最もおすすめしたい1冊を選ぶ文学賞です。22日は宮崎市の宮交シティで授賞式が行われました。
(宮崎本大賞を受賞 藤野千夜さん)
「どうもありがとうございました。宮崎、最高!」
今年の大賞に選ばれたのは、福岡県出身の芥川賞作家・藤野千夜さんが書いた「じい散歩」。東京で暮らす90歳近い夫婦と、中年で独身の3人の息子の日常を描いた物語です。
息子たちは引きこもりやトランスジェンダー、借金などそれぞれの悩みを抱えていますが、推薦した書店員などからは「飄々としたユーモアあふれる作品だった」「自分事として考えることができた」といった声が寄せられたといいます。
授賞式にオンラインで出席した藤野さんは「実は宮崎に足を運んだことがないんです」と明かしながらも、受賞の喜びを次のように語りました。
(宮崎本大賞を受賞 藤野千夜さん)
「今回このような賞をいただいたことで、第二のふるさとだと思っています。宮崎で選んでいただけたことで力をいただいたというか、すごく励みになりました。」
県民に本に触れてもらうきっかけを作りたいと2020年に始まり、今年で6回目を迎えた「宮崎本大賞」。主催者は、回を重ねるごとに書店や出版社の理解が深まっていると手応えを感じています。
(宮崎本大賞実行委員会 寺田晃実行委員長)
「読書が楽しいものだとか、自分のためになるものだということを書店がどんどんアピールしていかないといけないと思うので、この活動を通して書店が動くきっかけになればいいなと思います。」
現在、県内約40の書店と図書館で「宮崎本大賞」の特設コーナーが設けられているということです。