NOW ON AIR !

番組表
HOME ニュース

2025年04月24日 18時45分

激戦地沖縄のその後…小林市出身の男性を描く映画「木の上の軍隊」終戦から80年目の夏に公開

戦後80年を迎える今年、#Linkでは、「過去を知る未来に伝える」をテーマにした特集をシリーズでお伝えしています。

この夏、全国で公開される映画『木の上の軍隊』。太平洋戦争末期、沖縄県に派遣され、終戦を知らずに2年間、木の上で生活した小林市出身の男性がモデルとなっています。これまであまり知られていなかった男性の半生とは…映画のロケ地を訪れた男性の家族に話を聞きました。

「沖縄県伊江島で終戦を知らず2年、木の上で生きた軍隊がいた」

俳優の堤真一さんと山田裕貴さんがダブル主演を務める映画『木の上の軍隊』。太平洋戦争末期、沖縄県・伊江島に派遣され、終戦を知らずに2年間、木の上で隠れて暮らし続けた日本兵2人の実話を基にした物語となっています。

堤真一さんが演じる山下一雄は、当時、宮崎から伊江島に派遣された日本兵小林市出身の山口静雄さんがモデルです。

(静雄さんの次男 山口輝人さん)
「とんちのいい親父やった。」

こう話すのは、静雄さんの次男・山口輝人さんです。
伊江島に派遣された父の無事を願いながら、7歳の時、終戦を迎えました。

(静雄さんの次男 山口輝人さん)
「(父の帰りを)待っているだけですよね。死んでいるということは考えていなかった。うちの小屋の屋根をちょうど修理しているときに帰ってきた。みんなたまがったですよ。そんときはね…。」

輝人さんは、父・静雄さんが語った戦争体験を紙に綴っていました。

(静雄さんの次男 山口輝人さん)
「米軍の海からの艦砲射撃で島が数日で占領された。太もも、これは(銃弾が)貫通して木の上から落ちたと…。数週間すると、銃弾が貫通した傷から膿が出始めたんですね。それを小さな木の枝を折って、木の枝の先に衣類を少し切って、それを丸めて傷口から通していた(貫通した傷口に通していた)。」

山口静雄さんの実体験をもとに映画化された「木の上の軍隊」。2024年11月、次男の輝人さんなど静雄さんの子や孫が映画の撮影が行われていた沖縄県を訪れました。

伊江島は、沖縄本島の北部にある本部港からフェリーでおよそ30分。南国情緒あふれるこの場所では当時、「沖縄戦の縮図」と言われるほどの激しい戦いが行われ、日本兵およそ2000人、島民の半数に上るおよそ1500人が犠牲となりました。

少し島に着いた輝人さんたちは、当時、静雄さんが生活していたガジュマルの木の元へ向かいました。

(静雄さんの次男 山口輝人さん)
「お父さん、お父さんが乗っていた木のところに再び来ることができました。これも多くの方々にお世話になり、自分の足もこんな風になりましたけれども、多くの方に支えていただいてこうしてお礼に参りました。2年間の木の上での生活、お疲れ様でした。」

(静雄さんの三女 平春子さん)
「父がガジュマルの木からつないでくれた命、ここで2人が出会って頑張ってくれなかったらなかった命だと、子供たちや孫などにずっと広がっていかなかった。」

ここでは、映画のもう1人の主演、山田裕貴さんが演じる男性のモデルとなった沖縄出身の日本兵・佐次田秀順さんの次男と長女にも初めて会うことができました。

(秀順さんの次男 佐次田満さん)
「沖縄というのは台風が多いですよね。話の中では台風もあったと。でも乾かすことができない。濡れてもジーッと木の上に座って体温で乾かすしかなかったと。夜は食べ物を探したり、今、考えてもなかなかそういう生活というのは、想像がつかない。」

(監督)
「不思議な感じがする」
(山口輝人さん)
「今日は(映画のセットの)木にも上らせてもらいました」
(堤さん・山田さん)
「そうですか~」

およそ80年の時を経て、壮絶な戦争を生き抜いた2人の日本兵の実話が映画になります。

(堤真一さん:山下一雄役)
「戦争が終わって2年間も木の上で暮らしていた人を知らなかった。そうやって生き延びた人がいたことすら知らなかった。」

4月24日(木)

4月23日(水)

4月21日(月)

4月18日(金)

Top