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2025年06月13日 18時20分

衛生・食料状態は「最悪」 戦闘続く中東のガザ 国連機関の幹部が見た現状 

特集は宮崎からは遠く離れた中東・ガザの今をお伝えします。
医師の清田明宏さんです。
清田さんは、国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWAの保健局長を務めています。父親が宮崎県立病院に勤務した関係で中学時代を宮崎で過ごしました。
今は家族が宮崎に住んでおり、帰国すると宮崎に帰ってくるそうです。

清田さんたちUNRWAが拠点を置いているのは中東のヨルダン。
ここからパレスチナ自治区ガザの人たちの健康を守る仕事をしています。

黄色い所がイスラエルです。
イスラエルとガザは2023年以降戦闘状態となっていて、現在、ガザでは、食料不足が深刻化しています。
「地獄」にたとえられるこの地で暮らす人々の現状を清田さんに聞きました。

温かい食事を必死に手にしようとする人たち。
料理はすぐになくなりますが、それでも食料を求める人たち..5月の映像です。

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「劣悪すね。栄養状態非常に悪くて3月2日から全く入らなくなって小麦が足りなくなって食料も足りなくなって(6歳以下)子供の1割弱は急性の栄養失調で率が増えているので危惧しているなぜここまで飢えが深刻なのか」

背景にあるのは、人質解放に向けたイスラエルによるガザを支配するハマスへの圧力です。

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「イスラエルが止めている現実がある。イスラエルからすると入れた物資をハマスにもっていっていてハマスのために使われているというが112412以降ハマス側に流れた証拠はない。まだ(イスラエルの)人質が50人残っているので解放するためハマスにプレッシャーかけるため止めたのだと思います」

こういう人道支援の場所で食料を政治的な取引の材料にしてはいけない国連全体が非難している戦闘が続く中で、住民はガザを出て避難することができません。
ロシアから攻撃を受けるウクライナとは、状況が違う点です。

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「イスラエル側はイスラエルが完全に包囲して出られないエジプト側は一時は出られた。ラファから。手数料払えば出られたが今は(国境が)閉まっているので全く出られない」

ガザの面積は福岡市よりやや広い程度。
ここに200万人近くが住んでいるといわれています。
イスラエルからの爆撃にさらされるたびに人々は家を追われ爆撃で残った建物やテントで暮らしています。
先月には、2日連続で病院が空爆され、少なくとも28人が死亡、数十人が負傷しました。

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「本当に出られない監獄を行ったり来たりして生存の道を探しているということで本当に地獄のようなところ」

水道や下水施設が破壊されて衛生環境は劣悪で肝炎が広がりポリオが確認されました

清田さんが保健局長を務めるUNRWAは機材や薬品がない中で何ができるか考えて行動しています。

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「我々のクリニックは22あって医療従事者1000人くらいいて彼らの大多数は今もガザに残って仕事を続けています」

清田さんは戦闘開始後4回あわせて105日間、ガザに入りポリオのワクチン接種などを行ってきました。

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「我々が彼らを見捨てないきちんとそこにいてサービスを提供することをやっていきながらなんとかガザの人の役に立てれべばと思う。職員は本当にしんどいですよ。自分も避難民になっていますから希望を見出すことは難しい状況です。それでも『出来ることはある』といいます」

(国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長)
「まずニュースで見る時にこれ以上に(現地は)厳しいことを覚えていただければと思う。今後もパレスチナの人に日本はパレスチナを見捨てないことをきちんと伝えてほしい」
「そのために日本のNGOや国連に資金のサポートや物資の提供をするというのも考えていただければ」

清田さんは、ここまでガザの人を痛めつける必要はないと話しました。
ガザの人たちはこう言っているといいます。

「Enoughisenough」
「もう十分だ限界だ」

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