番組表
2種類の低気圧 2020年10月16日
今回は視聴者からの質問を紹介しました。
「台風のときによく耳にする、温帯低気圧と熱帯低気圧の違いを教えてほしい」
とのことなので、県内に大きな影響を与えた2つの台風を振り返りつつ、まとめていきたいと思います。
この2つの台風とは、特別警報級の勢力で九州に近付き、すぐ西の海上を北上していった台風10号と、九州に向かってきたものの弧を描くように離れていった台風14号です。
10号は大陸付近で温帯低気圧に変わり、14号は日本の南の海上で熱帯低気圧に変わったので、台風はどちらの低気圧にも変わることがあります。
これは、低気圧の名称として付されているように、温帯か熱帯かという地域がポイントとなります。
温帯とは日本付近の緯度に対応し、春夏秋冬の季節変化が大きいところです。
また、暖かい空気と冷たい空気が順番にやってくる地域でもあります。
一方、熱帯とは東南アジア付近の緯度に対応していて、
赤道も近いために、常に太陽の熱で暖められている地域でもあります。
この、地域的な特性が、低気圧のでき方にも影響を与えています。
温帯では、暖気と寒気が交互に通過すると説明しましたが、2つの気団の温度差によって発生・発達するのが、温帯低気圧です。
そして熱帯では、太陽の日差しで海水が強く熱せられ、大量の水蒸気が発生します。
この水蒸気をエネルギーにして発生・発達するのが、熱帯低気圧です。
このため、温帯を北上した10号は、温帯低気圧に変わり、海水温の高い熱帯方面へ向かった14号は熱帯低気圧に変わったんです。
今回の説明では、温帯や熱帯といった地域に注目して解説しましたが、この2種類の低気圧にはもっと多くの相違点があります。
ちなみに、温帯低気圧・熱帯低気圧だけでなく、寒冷低気圧という低気圧もあるんですよ。
日々の天気情報で伝えていくので、これからもご覧ください。