番組表
予想気温とのずれ 2017年02月23日
昨日22日はお昼頃から雨が降ったこともあり、日中は各地で10度前後までしか気温が上がりませんでした。
ただ、当日のお昼前の天気予報では、最高気温は14度から17度まで上がる予想となっていたので、予想気温とのずれが大きくなっています。
なぜここまで予想気温と実際の気温に開きがあったのか、昨日のデータなどを振り返ってみます。
最高気温を記録するのはお昼過ぎになることが多いので、データの時点は15時で統一することとし、実況天気図を確認すると、朝鮮半島の南端には低気圧の中心があり、東南東へ温暖前線、南西へ寒冷前線が伸びています。
低気圧の中心付近に向かって空気が流れ込むため、九州では南からの暖かい空気が入る状態となっています。
上空の風の動きを示すウィンドプロファイラでも、高度1km付近では九州は南風となっています。
地上付近の風向も南よりかと思い、アメダスのデータを確認したところ、15時の時点で、宮崎県内や熊本・鹿児島の内陸部では風速は弱く、風向はおおむね北よりとなっています。
一方で薩摩半島・大隅半島南部や種子島・屋久島では南よりの風が強く入っています。
そして肝心の15時時点の気温ですが、風向・風速に対応するように、弱い北よりの風のところでは10度前後、強い南よりの風のところでは16度前後となっています。
これらのデータを踏まえると、
・南からの暖気の影響で九州南部の沿岸や島しょ部では気温が上昇
・軽くて暖かい空気は九州内陸部の重く冷たい空気の上空を北上
・地上付近では暖気の効果が届かず、宮崎県内での気温上昇が抑制
といったことが予想気温と実際の気温の差につながったのではないかと思います。
夜になると地上付近でも暖気の影響が出てきたので、都城市・串間市・日南市では日付が変わる前に17度から18度まで気温が上がっています。
特に低気圧が通過する際は、暖気・寒気がどの程度まで流れ込んでくるのかによって、雨が降る範囲や雨・雪の判断が変わってきます。
あらためて予報の奥深さを感じますが、さまざまな可能性を考慮に入れながら、天気予報をお伝えしていきたいと思います。