番組表
各地で夜光雲を観測 2018年01月18日
今朝は日の出前のイプシロンロケット打ち上げ後に、夜光雲が観測されました。
昨年は夕方に観測され、今回も各地で観測されましたが、私は残念ながら見ていませんでした…。
今回は、起床して出かける準備を始める時間帯だったため、多くの人が観測できたようですね。
出勤したら、たくさんの投稿や質問が届いていました。
通常の雲は上空数キロから10数キロの高度(対流圏)に発生するのですが、夜光雲は80キロ付近の上空(中間圏と熱圏の圏界付近)に現れます。
自然に発生する夜光雲は、主に北極圏などの緯度の高い地域で発生するのですが、今回は、イプシロンロケットがはるか上空を通過した際、エンジンから噴射した水蒸気やちりが散らされたために、人工的な夜行雲として九州の上空に現れました。
ロケットは発射後、地球の反時計回りの自転(地上では西から東向き)の速度を利用して、東の方向へ向かっていきます。
夜光雲の軌跡はくねくねと曲がっていますが、ロケットは蛇行しながら進んでいるわけではありません。
上空の風に流されたり、エンジンの切り離しによって複数の軌跡が発生したりすることで、飛行機雲とは違った複雑な線となります。
そして、夜光雲の名が示すとおり、この雲は太陽の光を反射して光ります。
日の出前の時間、高度の低い通常の雲は地平線に邪魔されて光が当たらずに薄暗いのですが、地球は丸いので、高いところにある雲には地平線の下からでも光が届きます。
このため、日の出・日没前後の空であれば観測しやすくなります。
視聴者からの投稿で目立ったのは、「オーロラみたいな光」ということでした。
すごく簡単に夜光雲とオーロラの違いをまとめると、夜行雲とオーロラは発生する高度が異なり、オーロラは夜光雲よりさらに高い、100キロから数100キロ上空に現れます。
また、夜光雲は反射板のように太陽の光を反射して光るのですが、オーロラはプラズマが発生し、自ら光る現象で、蛍光灯と同じ原理なんです。
宮崎からは、種子島や内之浦が近いため、早朝や夕方のロケット発射の際には、今後もチャンスがあるかもしれません。
でも個人的には、自然に発生した夜光雲をいつか見てみたいです。