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酒井晋一郎

天気のサカイ目

ハリケーンの目の中へ 2019年09月05日

日本付近で台風13号などが発生している間に、1万キロ以上離れた北米では、ハリケーン・ドリアンの影響でバハマ諸島が大きな被害を受けています。
台風・ハリケーン・サイクロンは発生場所が異なるだけで内部構造は同じとなっていて、勢力が強くなると中心付近に目が形成されます。

最強の勢力であるカテゴリー5に発達したドリアンでも目が形成されましたが、目の中を飛行した映像がアメリカのテレビ局で放送されました。
インパクトのある映像だったので、参考までに対訳も付け加えておきます。

 

CBS News 
Meet the hurricane hunters who fly into Dorian's eye
https://www.cbsnews.com/news/hurricane-dorian-update-meet-the-hurricane-hunters-who-fly-into-dorians-eye/

 

以下、和訳

 

ハリケーン・ドリアンに関する情報は、上空で嵐を追跡するハリケーンハンターによって届けられている。
ハリケーンの目の中への飛行は危険であるように思われるが、ドリアンの進路や速度を調査するためには極めて重要なことである。

ハリケーンの中へと飛行する米空軍の観測機は、戦争地帯での部隊の降下や物資の投下を行うためのものだが、この計画を実行するために14時間飛行できるよう改良された機体である。

これらの観測機のうちの1つは第53気象偵察航空大隊が操縦かんを握り、任務の目的であるハリケーン・ドリアンの予想進路内では、2500万人が危険に脅かされると想定されている。
上空およそ10,000フィート(約3,000メートル)では、機長のジェフ・ラグサ中佐らはハリケーンの影響力を把握するためにデータを収集している。

「我々が行っていることは、彼ら(気象観測班や気象当局のことか?)が必要とする情報になるに違いない。」と、ラグサ中佐は観測機に同乗したCBSニュースのエロール・バーネット記者に語っている。

ハリケーンの目を通過して雲の縁まで飛行し、再び戻る(8の字状に飛行)ことを4回繰り返す間に乗組員はGPSの投下を行い、これによってハリケーンの速度や進行方向、風速に関する情報を収集する。

上空では、灰色で波打つアイウォールから不気味に明るく輝く穏やかなハリケーンの目へと、数分のうちに景色が変化する。

しかし、地上では激しく危険な暴風がバハマ諸島を襲っており、アメリカ合衆国はドリアンの次のターゲットとなっている。

ドリアンの猛烈な嵐を追跡している間、観測機は雷雨に遭遇し、コックピット内は紫のまばゆい光(雷光)でいっぱいになる。
この観測機は嵐の中を飛行することが許可された12機のうちの1機であるが、他のすべての航空機はハリケーンや嵐から10マイルから20マイル(16キロから32キロ)離れて飛行しなければならない。

 

以上

 

 

台風やハリケーンの内部の様子はなかなか見られないのですが、ハリケーンの目の中から見える青い空と、不気味にそそり立つ積乱雲の壁とのコントラストに改めて自然に対する畏怖を感じます。
また、危険を承知でデータの収集に向かうパイロットたちにも頭が下がる思いです。

 
得られたデータで進路予測などがさらに発達すれば、台風などによる被害も減らしていけるかもしれませんね。

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