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夏至に測定したものは? 2020年06月19日
あさって日曜日は二十四節季の夏至で、1年の中で最も昼の時間が長い日です。
太陽が最も高くまで上るのですが、夏至の日の太陽を利用して、ある天体の大きさが測定されました。
紀元前240年ごろにエジプトのギリシャ人学者エラトステネスが行ったのですが、
測定したのは、、、
「地球」です。
今から2300年近く前にどうやって測定したのか気になりますが、その方法はシンプルです。
エラトステネスは、エジプトのシエネという都市(現在のアスワン)で、夏至の正午になると井戸の底に太陽が映ることを把握していました。
シエネは、夏至に太陽が90度の角度まで上る、北回帰線上に位置するため、このような現象が起こります。
そしてシエネの北に位置しているアレクサンドリアとの距離を5000スタディア(約920キロ)と見積もり、この2地点間の角度を求めることにしました。
シエネでは夏至の正午に太陽が井戸の底に映りますが、アレクサンドリアでは井戸の底に太陽は映らず、影ができます。
棒を使って測定した影の角度は7.2度。
平行する2つの直線に対し、平行でない直線が交わる場合、その錯角は等しくなることから、地球の中心から見たシエネとアレクサンドリアの間の角度は同じく7.2度。
これで部分的な距離と角度が分かったので、地球全体の大きさも計算できます。
計算式にすると、約920キロ×(7.2度÷360度)=46,000キロとなり、地球全体の大きさも測定することができたんです。
正確な地球1周の大きさは約40,000キロなので、かなり正確な測定結果だと言えますね。
今日から県外移動も緩和されたので、遠方に出かける予定があれば、地上にできる影の角度を比べてみても面白いかもしれませんね。