番組表
ウグイスの初鳴き 2019年03月04日
気象台では、動植物の行動や状態の変化を観測する生物季節観測を行っています。
この時季になると鳴き始めるウグイスも、初鳴きの日が観測されています。
ウグイスの平年の初鳴日は2月25日ですが、今年は2週間ほど早い2月11日に初鳴きが観測されました。
「ウグイスが鳴くサカイ目はあるのでしょうか?」という疑問をいただいたので、いろいろと調べてみました。
まずは気温が気になるところです。
初鳴日の最高気温は、今年は13度ちょうどでしたが、2016年(2/16)は10度を少し超えた程度の真冬並みの寒さの時で、一方2014年(2/27)は20度を超えた春本番の陽気の時でした。
朝の最低気温を調べてみても、今年は6.6度だったのに対し、2017年(2/15)の朝は氷点下寸前の0.2度まで冷え込んでいました。
気温は関係ないかもしれません。
では、別の要素、日照時間はどうでしょう。
初鳴きの日はある程度日照時間が長いように感じられますが、2015年(2/26)の日照時間は1時間しかなく、雨も降っていたようです。
ということは、日照時間の長さや天気に関係なく、ウグイスは鳴くようですね。
気象条件ではなく、動物の生態という観点で調査を進めたところ、昼間の長さが関係しているようです。
昼間の時間が長くなると、ホルモンが分泌されてオスは鳴き始め、子育てシーズンが始まります。
なお、子育てシーズンとはいっても、オスはヒナの養育には参加せず、巣や縄張り付近の安全性をメスに知らせるために「ホーホケキョ」と鳴くそうです。
ただ、昼の長さは毎年同じように変化するので、初鳴きの時季が早かったり遅かったりする理由を考えてみました。
ウグイスは昆虫を主食としているので、もちろんヒナにも昆虫を与えます。
暖かくなるのが早くて昆虫の成長も早いと、より早い時期から虫を捕まえることができて子育ての時季が早まるため、オスが鳴き出すのも早くなるのではないでしょうか。
ということで、ウグイスは気象条件に直接影響を受けないものの、主食の昆虫を介して間接的に気温の影響を受けているといえそうです。