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「雪」の由来 2021年01月08日
年末年始は冷え込みましたが、現在はさらに強い寒気が流れ込んでいて、山沿いでは雪が降っているところがあります。
今回は漢字に注目してみましたのですが、「雪」という漢字は「あめかんむり」にカタカナの「ヨ」のような記号が加わりますね。
なお、「雪」には読みは同じでも書き方が異なる異体字があり、「䨮」という漢字があります。
少し難しい漢字になっていますが、下の部分に見覚えがないでしょうか。
「彗星」の「彗」という漢字と同じですね。
去年現れたネオワイズ彗星を見ても分かるように、彗星の尾が長く伸びる様子から、ほうきぼしとも言われています。
実は、「彗星」の「彗」という漢字1文字だけで、掃除に使う「ほうき」や汚れたものを「はらう」ということを意味しています。
つまり、「雪」は気象に関係する「雨(あめかんむり)」に、「彗(ほうき、はらう)」から成り立っているので、「けがれを払って、きれいに清める」といった意味を持っています。
日常的にも使われる言葉として、「雪辱」という表現がありますが、これは「辱(はじ)」を「雪(すす)」ぐ、という意味で、不名誉なことをはらい、名誉を挽回する、といった意味で使われています。
主にスポーツ関係で耳にする言葉ですが、なぜ「雪」が使われるのかずっと疑問に思っていたので、「雪」という漢字の成り立ちを知って納得です。
空から降る純白の雪が、けがれを払い清める神聖さを想像させたのかもしれません。
強い寒気の影響による積雪や凍結には引き続き注意してもらいたいのはもちろんのことですが、現在急拡大しているコロナウイルスという災いを雪が払い清めてくれたら、と思います。