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「春の日」と書いて... 2021年04月16日
汗ばむ陽気になる日も増えてきて、季節は春から初夏へと移りつつありますが、もう少しだけ春の話題を。
ところで、「春の日」と書いて、なんと読みますか?
熟語の訓読みでは「かすが」、音読みにすると「シュンジツ」となりますね。
では、「春の日」と書いて、なぜ「かすが」と読むのか分かりますか?
これは、和歌の表現でよく使われる、枕詞に由来しています。
枕詞とは、特定の単語に対応する語句のことを言い、映画「ちはやふる」のタイトルの由来となった、
「ちはやふる 神代も聞かず 竜田川 からくれないに 水くくるとは」
という和歌を例にとると、
「ちはやふる」といったら「神」が出てくるように、枕詞の「ちはやふる」が「神」という言葉を導き出しているんです。
さて、「かすが」の話に戻ると、「かすが」は元々地名で、現代では奈良県の春日大社や春日山の周辺に当たる場所です。
意味は諸説ありますが、「神の住処(すみか)」の「かすか」や「霞がかかるところ」の「かすみが」から由来しているようです。
地名「かすが」を表現する際に、枕詞をつけて「春日(はるひ・はるのひ)のかすが」と表現していたため、読み方が漢字に移って「春日」だけで「かすが」と読むようになったんです。
身近な言葉でも、由来を調べてみると面白いですね。