番組審議会

第574回 令和3年6月

議事の概要

• 番組冒頭はBGMのボリュームが大きく、ナレーションが聞き取りにくい箇所があった。

• 戦争を知らない世代が制作したことに意義があり、一切の加工を排し事実のみが語られた点を高く評価したい。

• 主人公であるディレクターの立ち位置が気になった。「知らない私」「知らない世代」が協調されているように感じたので、そうであるならば知ってどう感じ何をすべきだと考えたかを丁寧に語っても良かったのではないか。

• 「つなぐ～今語られる38度線の真実～」というタイトルであるが、ディレクターがおばあちゃんの体験をどうつないでいくのかという具体性が見えなかったのが惜しかった。

• 今を生きる若い世代にとっても、リアリティがあり自分事に捉えることができたのではないか。

• 戦争関連の番組は暗いトーンに覆われてしまいがちであるが、自宅や屋外の明るい空間での取材であったことやディレクターの身内を取材対象としていたことで、少し肩の力を抜いてみることができた。

• 今回取材対象となった方以外の客観的（第三者的）な見方を考えると、全て今回の証言通りなのか疑問を感じざるを得ないため、ドキュメンタリーという定義に当てはまるのか、副題の「真実」という言葉が断定的過ぎやしないかと思った。あくまでも「証言録」のひとつとして位置付けられるべきものではないか。

• 南さんの父親の手記や早野さんの絵が随所で示され、忘れがたい内容となっていて、"つなぐ"という結城ディレクターの思い、狙いは十分に実現されていると感じました。

• ディレクターが番組最後にナレーションで読んだメッセージは、最高に素晴らしい発言だった。制作関係者に大きな拍手を贈りたい。

• 全体のストーリーの本流は、「日本は悪」というものを感じた。とても単純すぎ、この番組はある意味、間違ったメッセージを発したのではないか。

・・・　などの意見が出されました。