番組表
Reらいふ
2015年10月15日
正しく服用するための「薬」の基礎知識(10月15日放送)
これからの季節、体調を崩して薬をのむという機会も増えてきますが、間違った飲み方をすると危険を伴う場合もあります。きょうは、薬剤師の橋野さんにお話を伺います。
■患者さんから、どんな質問を多く受けますか?
まず、「食前」服用という薬は、具体的にいつ飲むのかということですね。食前とは、食事の1時間~30分前を指します。空腹の時に効果を発揮するので、薬を飲んでから、すぐに食事をしない方がいいです。
そして「食後」服用という薬は、胃の中に食べ物が残っている状態が望ましいので、食後30分以内に。
また、「食間」というのは、食後2時間程たった空腹時のことを指します。
■服用する際、気をつけたいことは何ですか?
薬と相性の悪い食品を一緒に摂らないということですね。
中でも高血圧の薬でカルシウム拮抗薬と呼ばれるものをグレープフルーツジュースでのむと、薬の血中濃度が高くなりすぎ、過度の血圧低下になる場合があります。
その他、抗血栓薬は納豆と一緒に摂るのは危険です。ビタミンKが、薬の効き目を下げて血栓ができやすくなり、脳卒中や心筋梗塞をおこす危険があります。
また、青汁も同じ作用が予想されます。抗血栓薬の「ワルファリンカリウム」を服用中の方は特に注意してください。
また、抗生物質の「テトラサイクリン系」のものと、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を同時に摂ると、薬の効き目を低下させる恐れがあります。食べるときは、2時間以上たってからにしましょう。
また、カプセルが飲みにくいからと、中身を出して飲む方がいらっしゃいますが、カプセルの薬は、腸に届いてから溶けるようにするなど、意味があります。カプセルははずさずにそのままで服用してください。
さらに、市販の風邪薬を購入する場合。子どもには、危険な副作用を防ぐため、「アセトアミノフェン含有」の薬をおすすめします。体格がいいからと大人用をのませるのではなく、15才未満という年齢を目安に選んでください。
さらに、未開封できちんと保管していても、成分が少しずつ変化し、効き目が落ちたり害になることもあります。有効期限が切れた薬は、使わずに処分しましょう。解熱鎮痛薬や風邪薬、鼻炎薬などは、お酒と一緒にのんでしまうと、脳神経への抑制作用が重なり危険な状態をおこしたりします。ついうっかり・・ということがないように気をつけてください。
健康をサポートするための薬、少しでも疑問がある時は、医師や薬剤師に相談し、正しく服用するよう心がけたいですね。