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Reらいふ
2016年11月30日
災害から守った命をつなぐ 口腔ケア(11月29日放送)
今週のテーマは「防災対策」です。
もし 避難生活になったら、気をつけたいのが口の中のケア。
そのポイントを紹介します。
家庭の非常持出袋の中に歯ブラシは入っていますか?
断水を伴う災害時おろそかになりがちなのが口の中のケアです。
口の中のケアを怠ると細菌が増え虫歯や歯周病などが生じやすくなり、感染症にもかかりやすくなります。
特に高齢者は口の中で繁殖した細菌が気管や肺に入ることで誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなるため注意が必要です。
阪神淡路大震災では震災関連死の約8割が高齢者で、原因の多くは肺炎でした。
災害時の口腔ケアについて宮崎県歯科医師会で災害対策を担当する黒木康夫医師に聞きました。
災害時避難所での口腔ケアを怠ると誤嚥性肺炎のリスクが高まる。
阪神淡路大震災時の教訓を基に、非常時にも日常と変わらないレベルの口腔ケアの重要性が認識されている。
- 熊本地震では県歯科医師会から歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士でチームを組み、歯科医療救護活動を南阿蘇村の避難所で行いました。
- 福祉避難所や介護施設で、歯科医師が1人1人の口腔を診察、歯科衛生士が援助、言語聴覚士が食事を摂る環境や姿勢、誤嚥につながる飲込みなどをサポートしました。
たったこれだけ30mlの水でも歯磨きができます。
- 歯ブラシを水でぬらし歯を磨きブラシについた汚れをティッシュなどで拭取ります。
- 水を少しずつ口に含み2,3回に分けて濯ぎます。
日常使用するチューブ入りの歯磨き剤は研磨剤が吸湿作用が強く口が乾燥する場合も。
水が少ない状況では控えて下さい。
歯ブラシがない場合は、少量の水かお茶で口をブクブクとすすぐだけでも効果があります。
一度に多くの水を含むより、少量の水でブクブクうがいを数回繰り返す方が口の中の汚れを取るのに効果的。
入れ歯の場合も、できるだけはずすことを心がけ、ブラシや使い捨てシートなどで汚れを取り除きます。
避難所生活では恥ずかしさや周囲への気遣いから入れ歯を外すことをためらいがちだが、細菌が爆発的に増える原因となります。
入れ歯をはずして歯磨きして、入れ歯の掃除もして。
また、緊張が続く避難所では特に高齢者は唾液が出にくくなるため口の体操や唾液腺を適度に刺激すること、キシリトールガムなどを噛んで唾液の分泌を促し口腔乾燥を防いで、非常持出し品の中に歯ブラシや洗口剤、口腔ケアシート、キシリトール配合のガムなどを準備しておくことが理想です。
避難所での口腔ケアは二の次になりがちですが災害から守った命をつなぐ大切な手段です。