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Reらいふ
2017年10月12日
芸術を支える匠 チェンバロ製作者(10月11日放送)
ピアノに似た楽器チェンバロ。
芸術を支える匠、きょうは、チェンバロの製作者を紹介します。
その匠は、桑田芳幸さん 69歳。
自動車部品のメーカーで設計や品質管理をしてきましたが、退職後は、チェンバロの製作に打ち込んでいます。
千葉県出身の桑田さんは高校時代からチェロを愛好し、現在も定期的に演奏会を開いています。
■チェロ奏者の桑田さんが、どうしてチェンバロを作っているんですか。
私は、バロック音楽が大好きなんです。
クラシックの前の時代の音楽をバロックというのですが、バロックを演奏する上で骨格となる楽器がチェロとチェンバロなんです。
でもチェンバロは作る人が少なくて、なかなか手に入りません。
それなら、自分で作ってみようと思いました。
九州では、おそらく私ひとりだと思いますね。
バロックが好きすぎて作り始めたチェンバロ。
設計図は、欧米の博物館から取り寄せ全て独学です。
これまでの9年間で10台を製作。
県立芸術劇場のチェンバロ講習会でも使用されています。
大きさは大小様々、弦の数も一定ではなく、音色もそれぞれ個性があります。
ピアノは弦をハンマーで叩いて音を出しますが、チェンバロは弦をはじいて音を出します。
音はギターの仲間って感じですね。
この音色が、バロックには欠かせないものなんですね。
バロックは、音楽そのものがとてもシンプルで、素人が気軽に楽しめるものが多いんです。
ジャズと似たところがあって、即興も自由にできます。
バロックは、弾いて楽しく聴いて楽しい地産地消の音楽だと思います。
そんな魅力に触れてもらえたらと、宮崎古楽の会の演奏会が来月11日、宮崎市で開かれます。
桑田さんが作ったチェンバロの音色、そしてバロックを楽しめる秋のひとときです。
足を運んでみてはいかがですか。