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Reらいふ
2018年01月31日
生活を彩る伝統工芸 綾の手紬染織工房(2018年1月30日放送)
今日は、昔ながらの手仕事によって生み出される美しい織物を紹介します。
「良いものを大切に長く使う」今週は伝統工芸の魅力をお伝えしています。
蚕の飼育から、糸づくり、染め、織り、全ての工程を手仕事で行う「綾の手紬染織工房」。
現代の名工、秋山眞和さんは、約50年前、綾町に工房を構えました。
とてもいい環境です。染織する環境としては水もきれいだし、色々な染料の植物もたくさんありますから。
糸も染料も全て天然素材。それぞれ最良のものを使います。
糸は、幻の蚕と呼ばれる日本の蚕の原種「小石丸」から。
小石丸は、糸が細くて軽くて絹の味がとてもいいとか、藍染めとか天然染織にとても向いているとかなかなか擦り切れないとか、そんな特徴がございます。
こちらの大きな甕で発酵しているのは「藍」です。
全然化学薬品を使わない藍染、江戸時代のような藍染をやっています。
五感を使って毎日「藍」の状態を見ます。
気難しい相手ですけれどもだからこそ面白いです。
本来、布を色で染めるのは体を守るためでした。
藍で染めた衣服は、肌荒れを防ぎ、防虫、防火などの効果もあると言われています。
こちらはロイヤルパープルと呼ばれる貝紫。
千個の貝から僅か数グラムしか採れない貴重な染料です。
その製法は途絶えていましたが、秋山さんが、研究を重ねて蘇らせました。
そばで支えてきた妻の典子さんはこう話します。
結局は、とことん理想を追求するというのは、とてもわがままな仕事ぶりなんですね。
それをやるのはやっぱり秋山しかできないことだったと思います。
あえて手で作るというのは、とてもスピードが遅いんですよ。
そのスピードが遅いことによって、かえって布が縮んだりして本来の姿になっていくんじゃないかなと思っております。
美しく、そして実用的に・・
使えば使うほど良さがわかる伝統の技を生活に取り入れてみませんか?