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Reらいふ
2018年02月01日
身近な伝統工芸品 宮崎漆器(2018年1月31日放送)
シリーズでお送りしている、身近な伝統工芸品。
今日は、こちらの宮崎漆器をご紹介します。
宮崎市大島町にある、宮崎漆器工房。
漆器づくりの始まりは、昭和29年、当時、沖縄から疎開していた人の中に、琉球漆器の技術者がいて、宮崎の(高温多湿の)気候が、漆塗りに適していると、製作に取り組んだのが、きっかけでした。
その後、社会福祉法人を立ち上げ、現在は、授産施設の利用者42人が、製作にあたっています。(昭和59年に 宮崎漆器として、県の伝統的工芸品に指定)
指導にあたる谷口さんは、去年、県の伝統工芸士に認定されています。
Q:宮崎漆器の魅力は
A:丈夫さ、上塗りのあでやかな色、立体的な絵柄が魅力です。皆さんに使って、その良さを感じて欲しいと思います。
宮崎漆器の製作にあたっては、下地付け、上塗り、模様を付ける作業など、10の工程があります。
下地付けは、塗って自然乾燥させて、凹凸を取るために研ぐ作業の繰り返しで、3ヶ月かかります。
ここできちんとしないと、仕上がりがうまくいかないので、とても重要な作業です。
そして、上塗りの作業は、施設の職員が担当します。
息をのむような空気感の中、作業が進められます。
ムロの中の温度と湿度で乾かすので、鮮やかな色に仕上がります。
また、ゴミが一つでも入っても商品にならないので、気の抜けない作業です。
そして最後は模様を貼り付ける堆錦(ついきん)という作業。
この技法は、沖縄と宮崎でしか行われておらず、漆に色を付けたものをデザインに合わせて切り、器に貼り付けていきます。
すべての工程が終了するまでに、半年かかるそうです。
このように手間暇かけて作られた宮崎漆器、JR九州の「ななつ星」で使用されるなど、高級感のあるイメージですが、商品によっては、気軽に日常使いできるものもあります。
このお箸かわいい。毎日気軽に使えそうですね。
こちらはお菓子用の器・・・
普通のスーパーで買ったお菓子もランクアップしそうで、これはあると重宝しそうですね。
これからは、伝統を大切にしながら、今のニーズに合ったデザインも作りたい。
宮崎漆器は、施設の利用者の方が、一生懸命手作りで作った製品で、同じものは他にありません。
日常的に使うものになればうれしいです。
実は便利に使えて、豊かな気持ちになれる宮崎漆器。
暮らしの中に、気軽に取り入れてみませんか。
■お問合せ
宮崎漆器工房
宮崎市大島町
TEL:0985-25-3668