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2023年06月12日
共働き世代などが直面 仕事と育児の両立へ「小1の壁」の現状(2023年06月10日放送)
「小1の壁」は、子供の小学校入学に伴って預け先を新たに探さないといけないなど、仕事と育児の両立が難しくなってしまう社会的な課題です。
そこで、放課後の預け先の一つとなるのが「児童クラブ」です。
児童クラブ(宮崎市の場合)・・・原則日曜を除く、週6日間 放課後から午後6時まで
入会には保護者が1日4時間以上かつ月15日働いているなどの要件があり、希望しても一つの曜日も利用できないという待機児童もいるのが現状です。
こうした問題に加え、児童クラブがないことで新入生が減少し、学校の存続が懸念されている地域もあります。
児童クラブは宮崎市内で59箇所あり、2022年5月時点で4559人が利用しています。
毎年、宮崎市は定員を増やしていますが、空き教室が不足し学校の外に場所を確保する必要があります。
定員を超えた場合は、要件に基づき審査が行われ、2022年5月時点で59人が児童クラブを利用できず、待機児童となっています。
児童クラブがないことで、学校存続を懸念する地域も
全校児童24人の鏡洲小学校では、コーディネーターや保護者、地域住民の協力で、平日の4日間無料で子供達を受け入れています。
土日や夏休みなどの受け入れはなく、児童の安全面から午後5時までに帰宅を済ませる決まりのため、午後6時までの児童クラブより預け入れの時間が短くなっています。
児童クラブがないことや児童数が少ないことへの保護者の不安もあり、去年の新入生はゼロ。
今年春までの3年間に校区外の小学校に進学しました。
児童の流出が相次いだことで学校存続への懸念が生じ、去年11月宮崎市に対して地域住民が児童クラブ設置を要望。
また、学校との連携し児童クラブの設置に向け協議を続けてきました。
- 【話:鏡洲小の将来を考える会 渡邊 泰巳 会長】
「学校が無くなると地域自体がさびれて、活気がなくなる事も懸念されますので、学校を無くしたくないという気持ちは多くの人達が望んでいる事だとおもうので、ぜひ存続させたい。」
地域住民の熱意もあり、現在、学校内の多目的スペースの活用を前提に、児童クラブ設置に向けた協議が進められています。
そして、今年春には児童クラブの設立に向けた取り組みが保護者にも伝わり、5人が鏡洲小学校に入学しました。
- 【話:新入生の保護者】
「児童クラブがある所じゃないと、送り迎えだとが不安は続くじゃないですか。そういうのが出来る予定であるので皆さん、鏡洲小に決めて下さったと思う。」
- 【話:鏡洲小の将来を考える会 渡邊 泰巳 会長】
「放課後の子供たちを預かる場所があるとないとでは違うので、若い人達がどんどん鏡洲地域に住んで頂ければ、子供も増えるし学校もまた活気が出てくるんじゃないかと期待しています。」
安心して預けられる放課後の新たな受け皿ができ移住者が増えれば、地域に活気が生まれることも期待されます。
児童クラブの待機児童の対策が早急に求められています。