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特集
2019年06月24日
元公邸料理人 母のふるさと小林市で奮闘(2019年6月22日放送)
去年5月、小林市にオープンした創作フレンチレストラン「kokoya de Kobayashi」(ここやっど小林)。
地元の食材にこだわった創作フレンチで訪れる人をもてなします。
小林市に人を呼び込むため、市が開業資金を支援したこのお店のオーナーシェフとして公募で選ばれたのが地井潤さんです。ヨーロッパ3カ国の日本大使館でシェフを務めた元公邸料理人です。
大阪府出身の地井さんが小林市に移住を決めた理由はがんを患う母親の存在でした。
大阪に嫁ぐまで小林市に住んでいた母 房江さんは9人兄弟の長女で、宮崎県内に弟たちや妹たちが住んでいます。
地井さんは小林の食材を使ったメニューの開発に取り組みました。
注目したのは海に面していない小林市で古くから親しまれてきた鯉。
大阪で長年飲食店を経営してきた房江さんと、一緒に帰郷した妹の桂子さんはご意見番として参加します。
完成したのは「苺と鯉のカルパッチョ」。
母親を故郷へ・・・そんなシェフの想いが詰まった一皿です。
旬の食材を使った創作フレンチは話題を呼び、店は徐々に軌道に乗っていきます。
去年10月、JR吉都線の利用促進のためにレストラン列車が企画されました。
地井さんは乗客のランチを任され、多くのお客さんから大好評でした。
しかしもうこの時、最愛の母親はいませんでした。
母 房江さんが旅立ったのはレストラン列車の3日前でした。
告別式の翌日、お店にはレストラン列車の準備をする地井さんの姿がありました。
「最後の時ゆっくり過ごすことができなかったけれど、商売をやっていた母親なので "やりなさい"と言っていたと思う。小林の食の活性化というのがあるので自分が中心になっていけたらと、それが母親に対する供養になるかなと思います。」と地井さんは語ります。
母親の故郷を自分の料理で元気に。その想いが地井さんの原動力になっていました。
今年6月、お店を訪ねてみました。
オープンからの来客数は1万人を超え、この日は兵庫県のバス会社が運営するバスツアーのお客さんたちが来ていました。
「JR九州ななつ星」をデザインした水戸岡鋭治さんが手がけたバス「ゆいプリマ」で南九州を巡るバスツアーです。
その乗客が昼食を食べる店にkokoya de Kobayashiが選ばれました。
料理は鯉のカルパッチョに宮崎牛のローストビーフなど小林の食材をふんだんに使った特別メニューです。
お客さんたちはとても美味しそうに笑みを浮かべていました。
地井さんは「小林市の取り組みの一環として県外からお客さんを誘致するという事が一番で、旅をしてでも来てもらえるようなレストランに育てたいと思っていたので関西から来てもらえるのはありがたい。母も小林の食べ物が好きでしたし、小林で引き続き食の発信ができるような店にしていきたい。今年一番大事な人とはお別れしたけれど、新たにいろんな方との出会いもすごくあったのであらためて食で小林を盛り上げたいと思っています。」と話します。
母親の故郷 小林を多くの人に知って欲しい。
その想いを胸にこれからも地井さんは腕をふるいます。
<地井さんプロデュース 4種類のきのこソース>
地元小林のきのこ栽培業者「玉光園」から依頼を受けてシェフがプロデュースしたきのこのソース。
きのこがたっぷり入った4種類のソースはバケットやクラッカーに乗せたり、パスタのソースにもとてもよく合います。
ぜひみなさんも召し上がってみてください。
玉光園 0984-44-2958
https://gyokukouen.co.jp