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2021年02月01日
新型コロナ 高齢者施設で相次ぐクラスター対策は?(2021年01月30日放送)
宮﨑県内における1月の新型コロナの感染者数は、1月6日をピークに減少傾向にあるものの、クラスターが多く発生しています。
特に高齢者施設でのクラスターが相次ぎ、行政は重症化リスクの高い高齢者の感染拡大に危機感を募らせています。
宮崎市の高齢者施設でクラスターが発生したのは、今月14日から2週間で3例目。
高齢者施設での相次ぐクラスター発生の要因について、「県老人福祉サービス協議会 川越淳 会長」は介護現場特有の事情を指摘します。
【話:川越 淳会長】
「利用者に対する生活支援や身体介護ということで、密接・密着するシーンが多くなる。そして介護業界が慢性的な人材不足ということで、多少体調が悪くても休むことができずに無理して仕事をしてしまい、あとから結果的に感染が判明したケースもあったのではないかと思う。施設職員だけではなく、職員を取り巻く人たちにもかなりの自粛をお願いしている状態なので、県全体の感染者が増えるにしたがってクラスターが増えているところをみると、県民全体で感染防止対策に取り組んでいく必要があると思っている。」
感染収束の兆しが見えないなか、県や宮崎市は高齢者施設でのクラスターの芽を摘むため緊急対策として、無症状の高齢者施設職員を対象とした新型コロナに関する緊急検査を実施。
【高齢者施設職員の緊急検査】
- 宮崎県:延岡市の有料老人ホーム26施設 計 260人
- 宮崎市:有料老人ホームなど200カ所 約 3500人
高齢者施設職員の緊急検査について、ウイルス学が専門の峰松俊夫医師は、宮崎市が実施する抗原定性検査は結果が早く分かるが、感度が低いために「偽陰性」が出てくる恐れがあり、施設職員は検査結果によらず感染防止対策を緩めてはいけないと警鐘を鳴らします。
医療現場の逼迫が大きな課題となっている今、医療現場を支える新たな人材として潜在看護師と呼ばれる存在に期待が寄せられています。
【話:甲斐志織さん】
「看護師の数も足りないため健康状態優先で聞き取りをしなければならず、患者さんの心のケアまでたどり着けないということもあり、看護師として働いているなかではやりきれない思いがある。今回コロナの感染が広がる中で、医療従事者やその家族が偏見や差別にあっているというのを聞いて心も痛くなり、何か役に立てればと思い復職を決めた。10年ぶりに同じ看護師の仲間たちと話をすると、看護師は責任感も強いし、一生懸命やる人達だということを感じた。看護師になってよかった。」
県看護協会では、離職した看護師が都道府県のナースセンターに届ける「届け出制度」をもとに、復職への協力を呼びかけています。
また復職に不安を抱える看護師も多いため、県ナースセンターで定期的に講座や実習を行なっています。
【話:県ナースセンター 松浦 康代センター長】
「どうしてもブランクが長くなればなるほど、復職への不安は大きくなると思いますので、そこをナースセンターがサポートしているところです。看護する方が多ければ一人一人の負担は減ると思います。」
コロナ禍の今、精神的なケアも担う看護師が患者にとっても大きな存在となっています。
これから始まるワクチンの集団接種でも、看護師や医師の力は欠かせません。
そうした方々への一番のエールは感染拡大を防ぐことです。
感染防止策をしっかり取っていきましょう。