西臼杵郡、日之影町にある岩井川 中尾集落。
4世帯8人が暮らす山間の小さな集落で、毎朝驚きの光景が見られます。

なんと、集落を通る一本の細い道を多くの牛たちが行進しているのです。

• 【話：和牛繁殖農家 岩田篤徳さん】
  この牛たちは、競りに出す子牛を出産する繁殖雌牛（繁殖用の母牛）です。
  一般的には畜舎の中で飼いますが、私の牛は放牧して外で自由に飼っています。
  アニマルウエルフェアの観点から、牛を束縛しないという考え方が私は大好きです。

岩田さんの農業では牛を牛舎の近くにある放牧場で飼育しています。
毎朝9時に牛舎から牛を出すと、自分で放牧地まで歩いて行く牛の行進が日常風景となっています。

岩田さんが牛の放牧を始めたのは13年前の2008年。当時、牛を山で放牧をする農家はほとんどなく、他の人からは大変心配されたそうです。
それでも放牧を続けたのは西臼杵の畜産業の未来を考えてのことでした。

06 加藤さん

07 畜産農家戸数

• 【話：宮崎県西臼杵支庁 農畜産経営担当 加藤聡さん】
  現在、西臼杵地域には、約660戸の畜産農家がいてそのほとんどが繁殖農家です。
  現状では、畜産農家さんの高齢化、担い手不足などにより農家個数は年々減少している状態。
  そんな中、岩田さんは放牧がその解決策の1つになると考えています。

人によし・牛によし・環境にもよし
いろいろなメリットがあります。ぜひ見にきてもらってその良さを感じ取ってもらって、多くの人たちに広がっていくことが私は楽しみです。私はそれが嬉しいです。