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特集
2021年08月02日
命を守る 肝炎ウイルス検査(2021年07月31日放送)
7月28日は「世界肝炎デー」。
肝臓は人間の体内で最大の臓器です。
体に取り込んだ栄養を利用しやすい形に変えたり、毒素を分解したり、体内の物質のバランスを維持したりと命を支える重要な働きをたくさん担っています。
この肝臓の細胞が壊れてしまった状態のことを「肝炎」と言います。
このうち、ウイルス性肝炎は肝炎ウイルスに感染することによって起こります。
ウイルス感染とは?
宮崎大学 医学部 肝疾患センターセンター長 永田 賢治医師に伺いました。
- 【話:宮崎大学 医学部 肝疾患センター センター長 永田 賢治医師】
肝炎ウイルスにはA型からE型まで5種類のウイルスがあります。
その中でA型・E型が急性肝炎を起こすもので、主に食べ物から感染するウイルスです。
B型・C型・D型が感染者の血液や体液を介して感染する病気で、感染すると慢性化することがあります。
B型肝炎の感染経路は、母子感染・注射の使い回し・性交渉など
C型肝炎の感染経路は、輸血・血液製剤(血液を使った医薬品)・性交渉など
B型肝炎の症状
母子感染の場合・・・通常肝炎は発症しないが、思春期を過ぎて、倦怠感や食欲不振、黄疸などが出現し感染が発覚することがある。
1986年以降、全ての赤ちゃんがB型肝炎のワクチンを受けるようになり、妊婦検診でも検査が行われていることから、現在、新たな母子感染はほとんど起きていません。
C型肝炎の症状
C型肝炎は感染しても症状が出ないことが特徴。
進行すると倦怠感や食欲不振などの症状がでる。
- 【話:宮崎大学 医学部 肝疾患センター センター長 永田 賢治医師】
肝炎ウイルス検査は1回採血のみです。
場合によっては周りの人に感染を広げてしまう恐れがありますので、まずは自分が感染していないか確認することが大事です。
B型肝炎・C型肝炎を防ぐためには?
- カミソリやピアスを開ける器具など他人の血液が付着している可能性があるものを共有しない
- 他人の血液を触る際には手袋をつける
- 不特定多数との性交渉は避ける
肝炎に関して大切なのが早期発見です。
そのためにみなさんに受けていただきたいのが、肝炎ウイルスの検査です。
厚生労働省は肝炎の早期発見・早期治療を目指す「知って、肝炎プロジェクト」という、取り組みを行っています。
そのプロジェクトの大使を務めるのが「厚生労働省 健康行政特別参与 杉 良太郎さん」です。
杉さんは、肝炎ウイルスを受けて欲しいという思いから10年に渡って啓発活動を続けてきました。
その活動の輪は若い世代にも広がり、今では多くの芸能人やアスリートが全国各地で検査の重要性を訴えています。
また、世界肝炎デーに合わせて、EXILE NESMITHさん・HKT48 地頭江 音々さん・HKT48 豊永 阿紀さん の皆さんが来県しました。
皆さんは「知って、肝炎プロジェクト」の一環で、肝炎ウイルス検査の啓発活動を行なっています。
- 【話:HKT48 地頭江 音々 さん】
身内に肝炎にかかってしまった経験があり、その時は何も知らなかったので、もしこのプロジェクトを知っていたらなと思うことがたくさんありました。同じような思いをする方が少しでも減ったらいいなと思っています。 - 【話:EXILE NESMITH さん】
以前は検査に行くとか、それに対してネガティブなイメージとかハードルが高いイメージを、個人的にはすごく持っていて、今回のプロジェクトに携わって、色々知っていくと肝炎の検査も色々な場所で簡易的にできたりだとか、身近でハードルも低く受けられることを知ってもらいたいです。自分の体と向き合うことのきっかけになってもらいたいと思います。 - 【話:HKT48 豊永 阿紀 さん】
知らないからこそ肝炎というものが重かったり、怖かったりと感じたりすると思うのですが、感染経路として空気感染はなく、日常生活では感染しません。
また、ちゃんとした治療法もあるので、差別が起こるようなことはしないでほしいです。
肝炎をもっと身近に感じて、社会全体で取り組んでいければいいと思います。
肝炎ウイルス検査は年齢などの条件を満たせば、無料で受けることができる自治体もあります。
また、肝炎医療ナビゲーションシステム「肝ナビ」で検索しますと、自宅から近い検査場や費用を知ることができます。
宮崎大学医学部附属病院 肝疾患センターでは電話相談窓口を設置しています。
0985-85-9763(平日 午前9時 ~ 午後5時)
肝炎ウイルス検査は採血のみで受けることができます。
ぜひ検査を受けて自分、そして大切な人の命をしっかりと守っていきましょう。