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特集
2019年04月08日
平成の人。渡邉泰典さん 26歳(2019年4月6日放送)
平成も残すところあと1ヶ月となりました。
今週から平成生まれの若者にスポットを当てた特別企画を4週に渡って掲載します。多様化する生き方、働き方、そして新時代への思いを聞いてきました。
今回の「平成の人」は日南市で農業を営む渡邉泰典さん 26歳。
生まれ育った東京からイチゴ農家になるため、日南市北郷町に移住し3年目のシーズンを迎えました。
「やり方次第で作物の表情が変わる。それが農業の魅力です。」
そう語る渡邉さんは大学時代に農業体験を企画するサークルに打ち込み、農家のもとで作業を手伝う度に農業にのめり込んでいきました。
「農家になりたい」その思いは日増しに強くなり、ある運命的な出会いを果たします。
自転車で九州一周をしていた時に偶然立ち寄った北郷町で、渡邉さんは地元の農家さんを見てこう思います。
「こういう大人になりたい」
北郷町で農業を営む人たちがとてもかっこよく、そんな大人たちがたくさんいる地区で自分も生きていきたいと思ったそうです。
覚悟を決めた渡邉さんは大学を中退し、自転車一台と20万円の貯金だけを手に北郷町へ移住しました。イチゴ農家のもとで1年間を修行しながらクラウドファンディングを活用して資金を集め、無借金で新規就農を果たしました。
「農業を始めて一年目は一人前ではないにしても、作物を作るということが多少なりともできたことに考え深く満足感もありました。」と当時を振り返ります。
自社のイチゴを知ってもらうために収穫期には髪の毛をイチゴ色に染め、常に新しい発信の仕方を試みている渡邉さん。
移住して2年後、ようやくイチゴが収穫できるようになりました。
渡邉さんの挑戦を支える妻の茜さんは、夫婦の日常を描いた4コマ漫画をブログで発信しています。
その漫画は人気を呼び、農業サイトや地元紙での掲載もスタートしました。
そして昨年10月に待望の第一子が誕生。
その愛くるしい存在を「頑張ろうと思わせてくれる。子供が生まれてきたことでもっと頑張らないと!と思わせてくれた。」と話します。
現在ハウスを増設し、観光農園を建設中の渡邉さんはこの観光農園を色々な親子の思い出が生まれるような場所にしていきたいと考えています。
渡邉さんにとって「農家は絵を描くように自分の哲学を畑で表現するアーティスト」だと言います。
- そんな渡邉さんの理想の生き方は?
「現代版百姓。百のなりわいを昔は一人一人様々な仕事をこなしていた。人口が減るなか一人一人の役割が増えないと世の中が回らなくなる。だから自分の場合はパフォーマー、塾講師、Youtuberなど多岐に渡って、求められていることをどんどん仕事にしていって数をこなすことで対応していこうと思っている。」
- これからの時代を狙う若者としてー
「宮崎の平成生まれがぎゅっと力を合わせていきたい。頑張っている人はもっといるので平成生まれの20代が集まるコミュニティを築いていきたい。」 - 渡邉さんにとって平成とは?
「自分自身が生まれた始まりであり、子供が生まれた始まりでもあり、農業を始めた始まりでもある。平成は「始まり」。これから次の元号でももっと技術を高めてお客さんに喜んでもらえるような仕事をしていけたらいいなと思います。」
常に新しいことに挑戦する渡邉さんのこれからをますます楽しみにしています。