今回は、変わる18歳・19歳について考えました。

来月1日から法律が変わり、成人になる年齢が20歳から18歳に引き下げられます。

18歳になったら「できること」

親の同意なしで「1人暮らしの部屋を借りる・クレジットカードを作る・携帯電話の契約」ができる。
この他にも裁判員裁判に参加できるなど、できることの幅が増えます。

20歳にならないと「できないこと」

健康面への影響などの観点から「お酒を飲む・たばこを吸う・競馬・競輪などの公営ギャンブル」は引き続き20歳にならないとできません。

街の人の声

• 18歳はまだ高校生という人もいると思うし、そう考えると早いと思います。
• 自分の子が18歳になった時のことを考えると、いろいろ不安はあります。
• 18歳だったら大学に行く人が多いが、いろいろとクレジットカードを使って、ローンを知らないうちに組んだら借金地獄をみるかもしれないので危ないと思います。
• 自分の頃を思い出すと、成人としてはまだまだな気がして早いと思います。

社会人として経済的に自立をしている18歳にとっては良い面があると思いますが、今はネットで決済ができる社会のため、18歳になる以前にどんなトラブルに巻き込まれる恐れがあるかなど、しっかりとした消費者教育を行う必要があります。

様々なことが自由にできたり権利が得られることに伴って、責任も生まれます。
そこでもう一つ改正されるのが「少年法」です。

少年法

現在の少年法では、罪を犯した少年の名前や本人と推定される報道の禁止が19歳までとなっています。
しかし4月からは、18歳・19歳が「特定少年」と位置付けられ、「殺人・傷害致死・強盗・放火・強制性交等など」で起訴された場合に実名報道される場合があります。

街の人の声

• 若い子でも犯罪をする人は世間にはいると思うし、実名報道して良いと思います。実名が出るようになると気をつけるようになるのではないかと思います。
• 自分がやったことに対する責任ですから、実名報道して良いと思います。
• 結構、18歳・19歳でひどい犯罪を起こした事件があるため、子供だから名前が出ないというのは、もっと責任持ちなさいというのがあります。
• 18歳で事件と思うと、やはり少しかわいそうな気もします。
• ネットが普及している社会だから、いろんな方向から非難されるのではないかと思います。

18歳・19歳は、就職や進学など人生の中で大きな転換期を迎える年代。
社会からの非難によって、本人やその家族に及ぶ影響が懸念されます。
一方で被害者の感情を置き去りにしないことも必要です。

様々な懸念材料が多くある中で、実際に少年の更生に携わっている人々はどう感じているか、専門家に話を伺いました。

• 【話：宮崎少年鑑別所 岸村文貴 所長】
  実名報道は、社会復帰する時に過去のことが蒸し返されたり、社会の中でいづらく感じたり、偏見などによって円滑な社会復帰ができない可能性も考えられます。実名報道されたとしても、受け入れる社会の側が偏見を持たずに社会の一員として受け入れられる社会になることが大事だと考えています。

• 【話：県保護司会連合会 荒武敏男 会長】
  死ぬまで更生の可能性はあります。今の社会はネット社会のため、ネット上に犯罪歴・実名・職業・住居・写真が報道されれば、更生の障害になることはあっても、良い方には作用しないかもしれないという不安があります。地域社会の全面的な協力と理解がないと更生までたどり着けない。そうすると、その地域社会の世論が実名報道でどのように動いていくのか、非常に心配しています。

• 【話：九州大学大学院 武内謙治 教授】
  積極的に社会に参加することが期待されている年齢だということが強調されています。それに見合うような形で責任も考えるという改正がなされていることは否定できないと思います。一方で、この年齢層の方は成熟性や抱えている問題は個々人で違うため、一律に何かを対応するというのは難しい年齢層でもあるので、個別に問題点を検討する必要があると思います。一度、犯罪に及んだ人が立ち直ることはできないわけではなく、社会的なつながりがあれば回復可能だということをぜひご理解いただきたいと思います。

4月から18歳・19歳は大人です。
様々な戸惑いがある中で、周りの大人がまずは新しい法律についてきちんと知り、しっかりと考えたうえで、接していくことが必要だと考えます。