NOW ON AIR !
番組表
U-doki:
フォーカス
番組TOPに戻る
フォーカス
2023年01月23日
運行開始から2年 街と人をつなぐ「ぐるっぴー」の戦略(2023年01月21日放送)
宮崎市を走る、低速電動自動車グリーンスローモビリティ。愛称「ぐるっぴー」。
2020年11月、JR 宮崎駅「アミュプラザみやざき」が誕生。
この賑わいを中心市街地まで広めようと、宮崎市は時速20km 未満で公道を走る低速電動自動車グリーンスローモビリティを2台導入しました。
運賃は100円。小学生以下は無料に設定。
商店街関係者たちが、活性化につながると期待する一方、時速20km未満という速度の遅さから導入に否定的な意見も多くありました。
- 【話:宮崎市 都市戦略課 日高 和哉さん】
県内随一の中心市街地を、時速19km、12分間隔で毎日運行するということに対して、渋滞、交通安全的な観点から不安視する意見がとにかく強くありました。
さらに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス。
運行開始から2ヶ月もたたないうちに県独自の緊急事態宣言が出され、外出自粛の要請が。
認知度を上げようとした矢先、一日あたりの乗客数がおよそ3分の1にまで減少しました。
- 【話:宮崎市 都市戦略課 日高 和哉さん】
運賃収入が見込んでいたものが取れない。このままだと2ヶ月分の運行経費が不足する、一時はそういった事態にまでなりました。まずは資金を調達するしかないということでぐるっぴーの特性を生かした「稼ぐツール」としてまちづくりと関連した取り組みができないかということを考えました。
対策 1 ぐるっぴーの車体を広告塔として使う
運行ルート沿いの企業にサポートを依頼し、車内に企業のステッカーを貼ることで協賛を受ける。
その仕組みによって運行にかかる財源を確保できるようになりました。
対策 2 乗車率を上げるためにターゲットを絞る
乗客のうちおよそ3分の1が小学生以下の子どもたち。
ターゲットを子どもに絞り多くのイベントを開催しました。
- 【話:乗客】
ここ1年くらい家族連れ多いという印象ですね。小さいお子さんを連れた親子さんと一周回ってるのが最近多いなと感じます。
子供達から人気を集め乗客数も徐々に増加。
心配されていた渋滞などのトラブルもなく家族で乗れる乗り物となりました。
グリーンスローモビリティや観光を研究している、東京大学公共政策大学院 特任准教授の三重野真代さんにお話を伺いました。
- 【話:東京大学公共政策大学院 特任准教授 三重野 真代さん】
宮崎市のグリーンスローモビリティは、非常に多くの方々にご参加いただきながら運行しているという点がとても特徴的だと思います。今後の展開として、ぐるっぴーを使った新しい取り組みを一緒にやっていけるのではないか、宮崎の街の中がどんどん活性化していくような好循環を生み出すような起爆装置としての役割が期待されるのではないかと思っています。
ぐるっぴーの起爆剤としての役割のひとつとして、新しいまちづくりが始まっています。
- 【話:宮崎市 都市戦略課 日高 和哉さん】
高千穂通り周辺エリアの活用方法を探るため、11m幅の歩道空間を利用したイベントを実施する社会実験を国と県と市が行ってます。その取り組みによって、 昨年末、NTT グループが「歩きたくなる道路=ウォーカブル」の再開発を決定いただきまして、宮崎市と連携協定を結びました。
街と人をつなぐぐるっぴーに期待することとは?
- 【話:宮崎市 都市戦略課 日髙和哉さん】
ぐるっぴーが単なる移動手段ではなく、プラスαのまちづくりを、民間の人たちと連携していけるシンボルとして、これからもぐるっぴーを走らせていきたいと思っています。
番組へのご意見ご感想はこちらから