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特集
2020年03月09日
東京から綾町に移住した女性ハンター(2020年03月07日放送)
今回は山で鹿や猪を仕留める狩猟についての話題です。
県内では平成30年度 野生鳥獣による被害額 約3億4500万円。
その中でも、鹿と猪がおよそ4分の3を占めています。
農林業を営む人たちにとって、時間をかけて育てた農林作物が収穫前に荒らされてしまう事は収入にも関わり、大変深刻な問題となっています。
被害を減らすために侵入を防止するための柵を設置したり、有害鳥獣の捕獲に取り込んだりしていますが、なかなか被害が減らないというのが現状です。
更に心配されているのが、狩猟者の減少。
狩猟者の減少や高齢化が進む中、新規狩猟者の確保と育成が課題になっています。
このような現状の中、全国で注目が集まっているのが女性ハンターの存在です。
一年を通して緑の美しい綾町で、東京から移住し狩猟を行う女性がいます。
森田綾さん(42歳)。
2016年に綾町に移住した綾さんが始めたのは養蚕。2018年には畑を借りて蚕の餌となる桑の栽培をスタートしました。
実はこの蚕の餌となる桑の葉は、鹿の大好物です。
山から鹿が降りてきて、春先に桑の新芽を食べられてしまうと桑の葉が必要な夏に足りなくなり、蚕が育ちません。
そこで2018年7月に桑畑を守るためにわな猟免許を取得しました。
免許を取ったものの全くの素人だった森田さん。
1年半が過ぎた頃、森田さんの前に救世主が現れます。
それは綾町でも指折りのわな猟名人、冨高茂信さんとの出会いです。
森田さんは冨高さんを「笑顔が素敵な優しい猟師さんだという印象だった。」と話します。
森田さんと富高さんは森に入り、バネの力でワイヤーロープを閉め、獣の足を捕らえる「バネ式くくりわな」を仕掛けます。
数日後仕掛けた罠の確認に行くと、鹿が罠にかかっていました。
森田さんは初めて罠にかかった獲物を仕留め「言葉にはできない複雑な心境だったけれど、むやみやたらに殺すわけではないし意味のある事だと思ってやれているので、それは大事な事だと思っています。」と心境を語ります。
冨高さんは「今からは女性の猟師が増えた方が良い!猟銃は重いが罠なら簡単に仕掛けられるので作物を荒らす獣をとってもらいたい。」と話します。
森田さんは「野生動物を近くで見たら怖いこともあるかもしれないけど、意外と女性でもやればできると思うようになりました。」と話します。
今年度の狩猟免許は全日程終了しています。
来年度行われる試験については4月中旬以降、県のHPにて案内が出る予定です。