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2020年09月14日
修学旅行の新しい形(2020年09月12日放送)
今回は新型コロナウイルスの影響で大きく変わった学校行事の1つ、修学旅行に焦点を当てます。
今年度の旅行の行き先を県内に変更または検討中としている学校は小学校で9割以上、中学校で5割に上っています。(8月末現在)
修学旅行を行った日南東郷小中学校の6年生38人は宮崎市の平和台公園や日南市の栄松ビーチなど7カ所を巡りました。
楽しさの中にも学びの要素が不可欠な修学旅行ですが、行き先の1つに盛り込まれたのが宮崎県庁です。
県庁では誰がどのような仕事をしているのか、実際に使われている部屋を巡りながら説明を受けました。
今回の修学旅行にはキャリア教育の側面もあります。
- 【話:日南東郷小中学校 長田 靖校長】
私たちの周りには色々な仕事をしている人がいます。その仕事をしている人はどんな責任、
役割を持って仕事をしているのか?何のために働くのか?それに気付いて欲しいと児童に話をしました。
小学校の修学旅行を取り扱う宮交観光によると行き先を県内に変更したことで訪問先も学校毎に大きく異なりそれぞれの特色が出ているといいます。
- 【話:宮交観光 営業課 代田 祥之担当課長】
行き先で多いのは日南市の飫肥城周辺、フェニックス動物園、西都原古墳群が多いですが、中にはボディボードやシーカヤックなど体験を取り入れた学校もあります。
試行錯誤しながら練り上げられた修学旅行のプランですが、子供たちの反応はどんなものだったのでしょうか?
【話:児童】
- 鹿児島でなかった事は少し寂しかったけど、宮﨑も楽しいところがたくさんあるので修学旅行があるだけでとっても嬉しかったです。
- 宮崎県に住んでいても知らない宮崎の良さが分かったので良かったと思います。
県内での修学旅行に対する喜びの声は宿泊施設からも聞こえています。
新型コロナウイルスの影響で7月の県内の主要ホテルや旅館の宿泊者の数は前の年と比べてマイナス56.4%と厳しい状況です。
秋以降の予約が読めない中、宮崎観光ホテルでは来年2月までに小中学校合わせて約30校の受け入れが決定しています。
- 【話:宮﨑観光ホテル 広告宣伝部 長友 修一部長】
団体のお客様がぐっと減っている状況ですので、少しでも子供たちが来ると活気が出ます。
その子供さんたちが将来の大事なお客様になりますので観光ホテルで良い思い出を作ってもらいたいと思います。
県内の経済を動かしながら、子供たちにとっても故郷の魅力を再発見する機会となる修学旅行。新型コロナウイルスが終息した後も県外からの修学旅行生の取り込みにつながるモデルケースとして修学旅行の新しい形が模索されています。
修学旅行の課題
- 【宿泊施設】
大規模校の児童・生徒を受け入れられる宿泊施設が宮崎市以外にほとんどない
→宿泊施設がネックとなり行き先を変更しないといけない場合も出てくる
- 【受け入れ体制の整備】
宮﨑特攻基地慰霊碑や掩体壕への関心が高まる中、10月から12月中旬まで県内23の小学校が訪問予定。
ガイドの育成が追いつかず、会員の多くが75歳以上と高齢化も進んでいる
- 【話:宮﨑特攻基地慰霊碑奉賛会 後藤 徹夫副会長】
1日に学校が4件来ることは想像していなかったので、最低1日に4、5人のガイドが必要となります。
そんなにガイドを育成していなかった。とても嬉しいことだが、非常に責任重大だと思っています。
Withコロナの県内での修学旅行、宮崎の新しい魅力を掘り起こし、今後も観光資源として生かしていけるように強化しておく、そして未来つなげる大事な機会にもなりそうです。