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2021年12月13日
イルミネーションに込められた思い(2021年12月11日放送)
今回は椎葉村のイルミネーションの話題をお伝えしました。
椎葉村の商店街にイルミネーションが飾られるのは今年が初めて。
実はこの光は、ある思いを持った男性からのメッセージでもありました。
2020年9月6日、椎葉村で発生した土砂崩れ。
住宅一棟と、建設会社の事務所が土砂に飲み込まれ、この土砂崩れで4人が行方不明になりました。
入浴中だった相生組の社長、相生秀樹さん(71)は土砂崩れが起きた際、ユニットバスごと流されたものの、転落寸前でなんとか抜け出すことができました。
助けを求めるために浴槽を抜け出しましたが、大量の土砂の中を進んでいくのは容易ではなかったと話します。暗闇の中を裸でとにかく逃げました。
事故発生から11日後、ベトナム人技能 実習生のグエン ヒュー トアンさん(当時22歳)の遺体が発見されました。社長の妻と息子、もう1人の実習生は遺体が見つからないまま死亡が認定。
- 【話:相生秀樹社長】
思い出すのも辛い。毎日4人のことを思わない日はない。
自分の親戚や身内みたいにして、地域の人が助けてくれる。
「川を通る時には手がかりを探して見て通る」と言ってくれると、ありがたいですよね。
事故の後、改めて感じた人とのつながり。
相生社長が事故の前に仕事で使っていたイルミネーションを商店街に贈りました。
- 【話:相生秀樹社長】
事務所と自宅は全て土砂で流されたけれど、イルミネーションだけは他のところに保管してあったので流されませんでした。
皆さんが一生懸命になって、捜索から心配から色々して頂いて、少しでも何かで恩返しがしたい、その気持ちだけは忘れずにいたいです。あの事故のことを忘れることはできないけれど、それと同時に皆さんの温かい激励の言葉や思いやりが常にわたしの中にあるものだから。
【商店街の方】
- 新型コロナでいろいろ大変だったけど少しでもみんなの気持ちが明るくなればいいと思います。この灯りであたたかい気持ちになりますよね。
- 今までは暗闇の中みたいで寂しかったけれど、このイルミネーションをもらって付けたらとても町が明るくなりました。
通る人も嬉しいと思います。 - 「少しでも明るい気持ちに椎原がなればいいな」という想いで持ってきて頂いたと思っています。その相生社長の想いに応えるように商店街の店舗をそれぞれ装飾していき、一軒ずつ光がつながっていったのではないかなぁと思います。
悲しい事故から1年。相生社長が今思うこと。
「せっかく頂いた命を大事に、1日1日を一生懸命頑張るしかないわね。もう明日という日がないよ。そういう気持ちで毎日をやっぱり頑張っていかんと。つくづくそれを思ったね・・・。」
時に一瞬で崩れ去ってしまう日常。その儚い時間を胸に生きる姿を優しい光が照らしています。
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