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特集
2023年01月16日
未来へ挑戦する宮崎の企業(2023年01月14日放送)
宮崎日機装の挑戦 空飛ぶクルマ
今回紹介するのは、2017年、航空機部品などを手がける日機装(本社東京)の子会社として設立された宮崎日機装。
金沢、東村山、静岡にも製作所があり、中でも一番新しい宮崎日機装はグループ最大規模。
宮崎日機装敷地内には、インダストリアル工場と航空宇宙工場、そして M.Ret宮崎という医療機器の研究研修施設があり、現在宮崎日機装の従業員は約750人。平均年齢が31.5歳という若い皆さんが活躍しています。
宮崎日機装株式会社(宮崎市高岡町)
敷地面積12.2ha、東京ドーム約9個分の広大な土地に、2つの工場と一つの研修施設が建設されています。
宮崎日機装 インダストリアル工場
特殊ポンプの製造・試験を行う工場の中には、「クライオジェニックポンプ」という何やら大きなポンプが・・。
- 【話:インダストリアル工場勤務 小林市出身 太田尾 霞林(おだおかりん)さん】
カーボンニュートラルで注目を集めている「クライオジェニックポンプ」です。
液化天然ガスを運ぶためにガスの容積を1/600の液体にして運ぶため、マイナス162度まで冷やして液体にします。宮崎は夏30度を超える日もあるため、温度差200度の状況と、複数種類の金属の収縮率を計算しながら製造しなければならず、非常に高度な技術が必要とされています。
宮崎航空宇宙工場
敷地内最大の面積を誇るこちらの工場では、世界の飛行機に欠かせない部品を製造しています。
例えば、この「カスケード」。
一体どんな役割があるんでしょうか?
- 【話:宮崎市出身 手束 智海さん】
飛行機の着陸した時に減速させるために逆噴射に使用するもので、ジェットエンジンから流れる空気の流れを変えることによって機体を減速させます。カスケードは CFRP(炭素繊維強化プラスチック)という特殊な素材を使った航空機部品で、宮崎日機装では年間4万個以上のカスケードを製造しています。民間ジェット機の世界シェア90%以上が日機装のカスケードとなっています。
空飛ぶクルマ「eVTOL」
■空飛ぶクルマ eVTOL(電動垂直離着陸機)
パイロット1人が乗客4人を乗せ時速320kmの速さで飛ぶ新たな乗り物。
世界的に注目を集めるこの乗り物の製造に宮崎日機装も加わっています。
アメリカの会社と合同で空飛ぶクルマを作っているのが、中村 琴恵さん(宮崎市出身)です。
中村琴江さんは 宮崎商業高校卒業後、半導体を作る県内の企業で活躍。
2017年 、宮崎日機装の1期生として入社。航空部品の製造手順など技術やノウハウを作業者に伝えるという重要な役割を担ってきました 。
その実績から、空飛ぶクルマのプロジェクトチームに抜擢。アメリカでの研修に参加しました。
- 【話:宮崎市出身 中村 琴恵さん】
まだ現実にないものに自分が関われると思うとちょっとワクワクしました。
自動車で1時間かかる距離を15分以内にまで短縮できるという「空飛ぶクルマ」。
今年から製造を始め2025年の大阪関西万博での実用化を目指しています。
- 【話:宮崎市出身 中村 琴恵さん】
将来的には災害の救助作業や、インフラが整備されてない場所への交通手段として多くの人に役立つものになってほしいなと思って います。
「宮崎から世界へ」という宮崎日機装のスローガンの通り、これからも世界で新しい技術や製品を発信し続けていきたいと思います 。
日本だけでなく世界のモノづくりの最前線を走る「宮崎日機装」。
未来へ向けた挑戦はこれからも続きます。