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2023年01月16日
日向灘震源の外所地震(2023年01月14日放送)
M8級の巨大地震であった可能性
阪神淡路大震災から28年。
巨大地震の危険性のある宮崎でも地震への備えが必要です。
そんな中、今週、日向灘地震について新たな見解が発表され、およそ360年前に起きた日向灘を震源とする外所地震は、従来の説を超える「マグニチュード8クラス」の巨大地震であった可能性が明らかになりました。
宮崎市熊野にある外所地震の犠牲者を悼む供養碑。
およそ360年前に起きた日向灘を震源とするこの地震では、宮崎市にあった外所村が、津波などで消滅したとされています。
今回この外所地震について、京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教など3人のグループが新たな見解を発表。
従来「マグニチュード7.6」とされてきた地震の規模を「マグニチュード7.9」だった可能性があると発表したのです。
マグニチュードが0.3大きくなることで、地震のエネルギーはおよそ3倍になります。
- 【話:京都大学防災研究所 宮崎観測所 山下 裕亮 助教】
日向灘のM8級の巨大地震の可能性について科学的根拠を初めて示した例となります。
研究グループでは、スロー地震と巨大地震の関連など東日本大震災以降の知見をもとに、外所地震の新たな断層モデルを構築。
並行して行なった調査で、日南市小目井の海岸から約450メートル内陸の標高7メートルの複数箇所で、津波によるものとみられる堆積物を発見。
この場所まで津波が到達していたことを確認し裏付けました。
山下助教は、日向灘沿岸の地震・津波防災の見直しに大きく影響を及ぼすことになると見解を示し、今後研究の精度を高めるために自治体や民間とも連携した調査体制の構築が必要と指摘しています。
津波から逃げろ!防災アプリ「逃げトレ」
私たちが警戒しなければならない「南海トラフ巨大地震」。
津波が発生した際に私たちが唯一できるのは、「逃げる」こと。
その逃げるためのトレーニングができるのが、防災アプリ「逃げトレ」です。
防災アプリ「逃げトレ」
津波避難訓練用アプリ。南海トラフ巨大地震が発生した時に今いる場所に何分で、どのくらいの高さの津波が来る予想か分かります。
- 【話:京都大学防災研究所 宮崎観測所 山下 裕亮 助教】
このアプリは、スマホのGPSと連動しています。内閣府が行っている津波のシミュレーションの結果を実際に地図上に落として、自分がいる場所を調べることであとどれくらいで津波に追いつかれるかということが分かります。実際に画面を見ながら、津波に追いつかれないように避難するのを体感できます。小さいお子さんでもゲーム感覚で楽しく津波避難ができるというのがこのアプリの特徴です。
宮崎市 青島で実際にアプリを使ってみた!
- 【青島でのアプリの結果】
逃げトレアプリ「およそ23分で、8メートルの高さの津波が来ます!」 - 【話:児玉アナ】
具体的な数字が出るとイメージしやすいですね
ひとまず海から離れた児玉アナ。
逃げている途中に再びアプリから連絡が・・・
逃げトレアプリ「15分以内に津波が来ます!」
高い場所を探しているうちに、住宅地に迷い込んでしまいました。
- 【話:児玉アナ】
住んでいない場所で被災すると考えるとゾッとしますね。出張先とか旅行先でもこの「逃げトレ」を開いてみたら、今いる場所がどのくらいの津波がどのくらいの時間で来るのかがイメージできるので、ぜひそういった意味でも試してみるといいかもしれません。
青島地区のハザードマップを確認すると、国道220号沿いが標高が高いため津波避難用の避難階段が設置してあることが分かります。
国道220号の避難階段を探し当て、階段を登っている途中に再びアプリからお知らせが。
逃げトレアプリ「安全圏です!!」
- 【話:児玉アナ】
安全圏に到着したということで無事に津波から逃げ切ることができたということを、アプリが教えてくれました。これだったら自分一人でも出来ますし、結構歩いて息が上がっていい運動にもなるんですよね。ご家族でまたお友達と一緒にトライしてみてください!
- 【話:京都大学防災研究所 宮崎観測所 山下 裕亮 助教】
一番のメリットは、一人で避難訓練ができるところ。避難訓練をする機会が増えます。
地震が起こった後は家が倒れたりしていつも行けるルートに行けないこともあり得ます。逃げトレアプリを使えば実際に津波がやってくる様子がリアリティがあるので、このルートだったら余裕があるな、このルートはちょっと厳しいな、など事前に分かるというところが重要なところ。是非活用していただきたいですね。
※注意※
逃げトレは避難訓練用のアプリです。組み込まれている津波のシミュレーションは予測をもとにしたものなので、実際に地震が起きた時には絶対に使用しないでください。