警察によると、去年1年間に県内で発生した特殊詐欺の被害は52件。
被害総額も6年ぶりに1億円を超えました。

手口が巧妙化し被害が急増しています。

2月20日 宮崎市に住む60代女性があった被害

職員を名乗る男から「国民保険の還付金が3万5400円あります。還付金が返ってきます。」という電話。
数分後、金融機関を名乗る男から「ATMで還付金の振込をします。」という電話があり、女性は指示を受けながら ATM を操作。
現金約100万円をだまし取られました。

さらに2月21日、宮崎市に住む80代の女性も被害に遭っています。

医者の山下と名乗る男と息子を名乗る男から「息子さんが喉に腫瘍が出来て手術が必要」「会社がお金がいる時期で自分でお金が用意出来ない」と電話があり、自宅を訪問してきた介護士を名乗る男に、現金200万円を手渡してしまいました。

被害者は65歳以上の高齢者が55.8%と半数以上を占める一方、50歳未満も20%を超えていて、若い世代にも被害が広がっています。

• 【話：県警生活安全部 竹之内 慶郎 統括官】
  電子メール・SNS 等を利用した手口の拡大。高齢者に限らず幅広い世代が被害の対象となったことが特殊詐欺被害の増加につながり、結果として認知件数被害額ともに増加していると思われます。

県警では急増する特殊詐欺被害を未然に防ごうと、うそ電話詐欺の電話音声を公開

去年11月宮崎市に住む60代の男性に実際にかかってきた電話のやりとり

• 【話：電話をかけてきた男】
  NTT ファイナンス大谷がお電話対応致します。総合ポータルサイトSNOWのご登録というのをいただいておりまして、こちらのご利用料金が1年間長期未納ということでご連絡差し上げております。

• 【話：60代男性】
  全然記憶にないんですけれども・・・
  利用料金は月額いくらになっているんですか？

• 【話：電話をかけてきた男】
  こちらは950円となっていたんですけど、強制解約の手続きが取られておりますので「解約の違約金・遅延損害金・事務手数料」などが含まれまして29万9,600円が未納となっています。ご本人様の携帯端末からご登録されたことが電子記録上確認できておりますので 、法的な支払いの義務が生じています。

このあと男は契約書を郵送で送ってほしいという男性の話を無視し、「あすから民事裁判の手続きに入る」と脅してきました。
この電話を受けた男性に話を聞いてみると、ある不審な点から詐欺と気づき被害を免れたと言います。

• 【話：60代男性】
  話をするうちに、やたら向こうが急かすような話し方をしてくる。いわゆる電話の会話による礼儀がなっていない。料金未納になっているのに向こうは１年間放置していた、１年分未納料金がたまっていますよ、と。通常の金融機関では考えられないこと。だから何かおかしいと思いました。

特殊詐欺 最近の手口

• 高齢者施設の「入居権名義貸し」を頼まれた後、「名義貸しは犯罪だ」と賠償金を請求される詐欺
• 「パソコンがウイルスに感染した」と見せかけ、対策費用を請求される詐欺

不審な電話やメールが届いた際には最寄りの警察、そして警察相談専用電話「#9110」に電話してください。そして身近な家族や近所の方などにもすぐに相談しましょう。