教職員が未経験の競技を指導しなければならない、長時間労働、少子化による部員不足など、中学校の部活動における課題があります。

「部活動の地域移行」とは・・

持続可能な部活動の形を目指す国の取り組み。
平日は学校の教職員が子供たちを指導、休日は教職員に代わって競技経験のある人など地域指導者が子どもたちを指導するという形。

地域移行のメリット

• 地域指導者の皆さんは地域での活動の機会が増え、謝礼金も出る。
• 教職員の長時間労働が解消され、働き方改革が進む。
• 専門的な知識がある指導者から学ぶことで、子どもたちの競技力が上がる。

宮崎県では2021年度からモデル校を決めて実証実験を行っています。
そのうち小林市内では３つの中学校が県の部活動地域移行モデル校に指定されています。

小林市立 三松中学校

2年前から５つの運動部で地域移行を開始。
去年から学校独自で文化部2つ、今年度は全ての部活動に地域指導者が携わっています。

• 【話：陸上部顧問（剣道部出身）】
  専門の先生に見てもらえるのは、私にとっても子どもにとっても利点がある。
  1日の仕事の4分の1ぐらいは外部活動に注いでいるので、メリットの方が大きく感じます。 

予選を勝ち抜いた 三松中 男子ハンドボール部（地域移行3年目）

地域指導者の薗田卓磨さんは、普段は消防士として地域の安全のために働いています。
三松中 OB で、高校時代インターハイ準優勝なども経験。
恩師や後輩のサポートができればと 地域移行開始当初から休日の指導にあたっています。

• 【話：地域指導者 薗田卓磨さん】
  子どもたちの夢の手助けが出来ればというのと、地域で消防士として働いている背中を見てもらって、何か伝えることができればと思っています。

• 【話：生徒】
  学校の先生はメンタル的なことを鍛えてくれて、地域移行の先生は詳しい技術的な面や戦術を教えてくれます。自分の足りないところなど細かく教えてもらっています。自分の先輩だし、とても尊敬しています。参考になるし、自分も教えてもらったことを実践したいなと刺激を受けます。

県大会では９年ぶりに優勝！！
三松中男子ハンドボール部は、九州大会へと進みます。

地域指導者と顧問の先生とそれぞれの指導からいい部分を吸収し、結果につながる「部活動の地域移行」。
今年度から2025年度までを改革推進期間としています。

小林市教育委員会によると、経費や指導者の確保など課題はありますが、今年度中に「小林モデル」を完成させ、来年度以降は市内全ての中学校でこの取り組みを始めていきたいとしています。