県内の最低賃金はこれまで時給853円でしたが、10月6日から44円引き上げられ、時給897円と過去最大の引き上げとなりました。
この要因には物の値段が高騰しているのに対して賃金の伸びが追いついていない現状があります。

物価高と賃上げについて県民の声は

• 今の時給は957円。理想は1000円くらい。（10代女性）
• 900円ぐらい。もうちょっと上げて欲しい。（10代女性）
• 18歳ぐらいで７年程前に働いていた時は750円。ネットとかで最低賃金を調べると宮崎は安いなと思いますけど仕方ないかという感じで働いていました（20代男性）
• 最低1000円でしょうね。1500円行けば素晴らしいですけど。物価とのバランスが悪いと思います。（40代男性）

県内の約560の事業所を対象とした毎月勤労統計調査のデータでは、従業員1人当たりに支払われる名目賃金は2020年の水準を上回っていますが、一方で、物価を反映した実質賃金は、今年7月時点で11ヶ月連続で下回っており、家計の負担軽減には繋がっていないという実情があります。

宮崎と鹿児島でスーパー4店舗を展開するハピネスでは、正社員とパート従業員合わせておよそ180人を雇用しています。
人手不足が続く中、今年2回にわたってパート従業員の時給を引き上げました。
毎年5月に行う賃上げを今年は2月に前倒しし、時給870円から30円アップ。
9月は最低賃金の引き上げを踏まえ、時給930円まで引き上げました。

ハピネスで取り扱う商品の単価は2年前と比較して15％も高騰していることから、物価高騰を肌で感じるからこそ従業員の暮らしに直結する賃上げを決断したと丸山社長は話します。

• 【話：ハピネス 丸山 将史 社長】
  物価も上がり、賃金も上がり、経済が回っていくことが理想的な姿かと思う。経営者として会社の賃上げも覚悟を持って進めたいと思っています。

パート従業員の時給に加え、ベースアップを含む社員の基本給も5%引き上げました。
人件費は年間で数千万円増加する見込みです。電気代や梱包材など経費も値上がりする中、経営の中で無駄がないか、限られた時間でしっかり仕事できているかなど、生産性の向上を同時に進めていく必要があると丸山社長は話します。

政府が10月中にまとめる経済対策では、真摯に取り組む企業への減税措置の強化も検討されます。今後どのように具体的な支援策が示されるか注目です。