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特集
2023年12月04日
心癒すヘッドスパサロン開業への思い(2023年12月02日放送)
今年7月に木城町にオープンしたヘッドスパサロン。
開業したのは、永友綾香さん(41)。
地元 JA の窓口職員を辞め、今年1月にドライヘッドスパの資格を取得し、念願だった自分のサロンを開く夢を叶えました。
永友さんは、びまん性脂肪症で生まれつき左膝の裏に無数の腫瘍があり、幼い頃は家族と離れて関東の病院で入院生活を送りました。
5歳の時に初めて足を切断。その後30回の手術を繰り返し、左足は膝までの長さになりました。
- 【話:永友綾香さん】
母が「何でも人と同じようにしなさい」という考えで、松葉杖でも走れみたいなスパルタだった。何でも他の人と同じようにやらされてきたけど、やっぱり限界があってできないこともある。足を理由にできないということがすごく悔しくて。学校生活とか友達と遊んだりすることにも制限がかかったりして、悔しい思いがあった。思春期に入ると「足がない人と結婚する人おるかな」とか。そういう話は友達にも家族にももちろん言えないし、一人でしくしく泣く時間もありました。
生き方が変わるきっかけ
何でもチャレンジしたしたのは二十歳の時。草履が履ける義足ができ、成人式に着物を着て参加できたこと。
その後、海に入れる義足を作ってもらい海に入った時に「私はなんでもできる。まだまだしたいことがいっぱいある。まだ諦めたらいけない」と思った。"できるようになること"の喜びが自身を変えたと話します。
「自分にはできないと思っていたことに挑戦してできるようになっていくことが、"みなぎる自信"につながり、成長させてくれている」
人生最大のチャレンジ
息子さんから「お母さんは頑張っているんだから、みんなにそれを見せて元気出させてあげたい」という言葉をもらったことで、一昨年、義足のランナーとして聖火リレーの応募を決意。見事選抜され、チャレンジに成功しました。
- 【話:永友綾香さん】
子どもたちに"夢を追いかけることの大切さ""やりたい事があるならどんどんやる"ということを、私が身をもって広めて行こうと毎年いろんなことにチャレンジしています。
永友さんの力になってくれる子どもたち
「子供にも恵まれて私の人生楽しいなと、今本当に思えるから、誰にも悩んでいることを言えずにいる子たちの話を聞いてあげたい。」
こどもたちに伝えたいこと
聖火リレーを走った後、木城小学校の道徳の授業でお話会を開き、自身の経験と思いを伝えました。
- 【話:永友綾香さん】
「助けて」と言うことは、 負けじゃないからね。 恥ずかしいことじゃないからね。その代わり誰かに「助けて」と言われたら 助けてあげられる人になってください。
今はたくさん悩んでいるかもしれないけど"みんな誰かの宝物"。その宝物をどうか誰も傷つけないでください。誰かの宝物を、みんなで大切にしてください。
サロンで大切にしていること
永友さんのサロンには地元のお母さんやこどもたちもやってきます。
学校のこととか家族のこと友達のことなど一対一だからこそ心を許して話してくれることもあり、「楽しいし力になってあげたい」と話す永友さん。
お客さんの身体はもちろん、会話をより大切にして、"一緒に色んなことを乗り越えながら一緒に成長していくサロン"を目指しています。
毎年一つずつ大きな目標を立てている永友さん。
おととしは聖火リレーを走り、去年は全国障害者技能競技大会(通称アビリンピック)喫茶サービス部門で金賞を獲得。
宮崎県代表として全国大会に出場しました。
そして今年はヘッドスパサロンの開業。
次の目標は、聖火リレーで使ったランナー用の義足を使って障害がある方と一緒にリレーマラソンに挑戦することだそうです。