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2023年12月18日
料金改定を議論 宮崎市上下水道の現状(2023年12月16日放送)
県内ではここ5年で8つの自治体で水道料金が値上げされ、
西都市と日向市では27年ぶりの料金改定となりました。
宮崎市、綾町、五ヶ瀬町では、現在料金改定の議論が進んでいます。
料金改定の背景にあるのは「水道管など施設の老朽化」
高度経済成長期の後半から一気に整備され、使えることが当たり前の存在となっている上下水道。
中には100年近く使われている配水池もあり、老朽化のため立て替えの計画が進んでいますが、その更新費用が課題となっています。
1969年に稼働した「下北方浄水場」
2008年から2030年まで更新工事が続き、総事業費は167億円を超える見込みですが、宮崎市では総事業費が10億円以上かかる施設の更新工事が、主なものだけでも10件控えています。
今年5月、水道管からの漏水で道路に亀裂が...
宮崎市の水道管のうち、3割を占める約800km は耐用年数の40年を既に超えています。
水道管の更新には年間19億円程度が投じられていますが、老朽化した水道管の更新率は毎年1%にも満たないのが現状です。
上下水道事業は、サービスの対価となる料金収入で事業を運営することが原則ですが、宮崎市の給水人口は2014年度をピークに減少傾向に。
水道事業はこのままいけば6年後には赤字が予想されています。
また下水道事業は料金収入だけで運営を賄えず、昨年度は一般会計から不足分の10億円あまりを補填しています。
人口減少で給水収益の減少が見込まれる一方、老朽化する施設の更新の財源を確保していく必要があり、現在の上下水道料金が妥当であるか検討する必要が生じています。
宮崎市上下水道局 経営審議会での値上げ幅シミュレーション
施設の老朽化や経営状況を踏まえて事務局から示された値上げ幅のシミュレーションはおよそ11% ~ 15%です。
委員からは、「水道料金は命に関わる料金。生活が厳しい人達に15%は厳しい数字」などの意見が上がりました。
今後の審議のポイントについて、経営審議会の委員長で宮崎大学工学部の鈴木祥広学部長は
「5年ごとにその状況に合わせて適正な料金改正を常に継続して見直していかなければいけない状況になっている」と話します。
施設が老朽化する中「蛇口をひねれば安全安心の水を使える」という環境をどのように維持していくのか、その価値を考える時がやって来ています。