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2024年04月01日
2024年問題 トラックドライバーの労働規制(2024年03月30日放送)
2024年4月から、建設業・自動車運送業・医師の時間外労働に上限が設けられます。
年間で、建設業が720時間、自動車運送業と医師は960時間と定められます。
上限が定められることで人手不足などが懸念されることから、2024年問題と呼ばれています。
運送業においては大手宅配業者が運賃の値上げを発表。
一部の宅配便を対象に、ヤマト運輸は約2%、佐川急便は約7%値上げします。
そして宮崎交通は、4月1日から路線バスの16路線106便を減便します。
農畜産物を消費地に運ぶ県内の物流現場では、これまでにない働き方の環境の変化を「最後のチャンス」と捉え、前向きに対応しようとしています。
トラックドライバーの労働環境の改善を目的に、時間外労働は年間960時間と上限が設けられ、1日の拘束時間は最大15時間に制限。
退勤から次の出勤までの休息期間を今よりも長く取るなど働き方が変わります。
一方、ドライバーが運べる時間が減ることで、配達が遅れたり荷物を運べないという恐れがでてきます。
消費地から遠い九州では対策を講じなければ2030年には今のおよそ4割の荷物が運べなくなると言われています。
- 【話:県トラック協会 牧田信良 会長】
業界が変わっていかなきゃいけないしお客様にも変わってもらわないといけない。最後のチャンスになるのかなと。私も40数年この事業をしているがこれほど変わるのは初めてじゃないでしょうか。
県トラック協会ではこれまで様々な対策を取ってきました。
その一つが法令の遵守や安全対策などを評価するGマークの取得。
宮崎の取得率は51%で4年連続全国1位です。
Gマークの取得が基礎となり2024年問題の法令的なものはクリアできていると話す牧田会長は、これまでもドライバーの負担軽減に努めてきました。
広島・大阪・名古屋・埼玉の4地点に配送しているマキタ運輸では、これまでドライバーが手作業で積み下ろしを行っていましたが、積み下ろし担当の従業員を配置し複数の荷物をまとめて運ぶことで時間の大幅な削減につながっているといいます。
このほか乗船中に休むことができるカーフェリーを積極的に活用。
さらに東京・大阪・福岡・鹿児島にベッドとシャワーを完備した中継地点を設け、休憩をとってもらったり、ドライバーを交代するなどして負担軽減に 努めてきました。
労働時間が減ることで賃金が減り、ドライバー不足に白車がかかるのではという声もありますが、牧田さんは労働環境が良くなれば、ドライバー不足の解消につながると見ています。
- 【話:県トラック協会 牧田信良 会長】
ドライバーは今からも十分に稼いでいけるし、安心安全が担保されればなおのこと働きやすい職場になる。今までは少しグレーな部分もあったがこれからはもっと良い環境になる。
私たち消費者もしっかりとこの制度を理解してできることは協力し、長時間労働を余儀なくされていた業界がより働きやすい環境になっていく転換点として期待されます。