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2025年03月24日
小中高生の心のケアと自殺対策(2025年03月22日放送)
今月は国が定める自殺対策強化月間です。
今回は、都城新生病院 児童・思春期精神科の河野美帆医師を迎えて小学生から高校生までの心のケアについて考えました。
小中高生の自殺者数の増加
全国の自殺者数は減少傾向にあるものの、小中高生の自殺者数は増加しています。
2014年には330人だったのが、2023年には513人、2024年には527人と過去最多を記録しました。
特に中高生の女子の自殺が増えています。
主な要因として、学業不振、進路の悩み、家庭や経済的な問題、さらにはコロナ禍の影響などが挙げられます。
特に4月、8月~10月にかけて自殺者数が増加する傾向があります。
これは学期の切り替わりや長期休み明け、季節の変わり目といった環境の変化が影響していると考えられます。
相談窓口の認知と利用の壁
18歳以上を対象にした県内調査では、7~8割が相談窓口の存在を知っているものの、半数以上が相談をためらっています。
その理由として「親に知られるのが怖い」「特定される不安」などが挙げられます。
悩みを抱える若者たちのWeb空間「かくれてしまえばいいのです」
NPO法人ライフリンクが運営する「かくれてしまえばいいのです」は、匿名・無料で24時間利用できるWeb空間です。
都城市では、市内の公立小中学校の約1万4000人のタブレット端末にこのサイトを導入しました。
サイト内では、アバターを作成して悩みを吐き出したり、AIと会話できる機能が用意されており、平日毎日200人以上の児童生徒がアクセスしています。
子どもの変化に気づくポイント
家庭や学校で子どもたちの変化に気づくことが重要です。
- 日常の過ごし方の変化
- 自信を失っているように見える
- 些細なことで怒ったり泣いたりする
特に年度の変わり目や長期休み明けは心身ともに不安定になりやすいため、あらかじめ家族で話し合うことが大切です。
宮崎県の自殺死亡率と取り組み
2023年の統計によると、宮崎県の自殺死亡率は全国で2番目に高い結果となりました。
河野医師は「家族や周囲の人も食事や睡眠を大切にし、心の安定を保つことが重要」と指摘します。
また、子どもが話しかけてきたときに「ちょっと待って」と後回しにせず、そのタイミングでしっかり話を聞くなど、ゆとりの時間を持つことが信頼関係の構築に繋がります。
■相談窓口「ひなたこころサポート」