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特集
2021年11月29日
高校生コロナ禍の挑戦!硫黄山から世界へ生配信(宮崎大宮高校) (2021年11月27放送)
宮崎大宮高校では、毎年希望者を募り海外研修などを行なっていましたが、去年から新型コロナの影響で海外に行くことができていませんでした。
そこで、今年は硫黄山の水質問題について海外への生配信に挑戦しました。
えびの高原の硫黄山は、2018年4月に250年ぶりに噴火し、周辺の河川の水が白く濁り水質が悪化。
その水質改善への取り組みとして、赤子川に水質改善施設が作られました。
水質改善施設とは、噴火の影響を受けて強い酸性を示していた川の水をアルカリ性の石灰石を通すことで中和させて下流へと流していく水質浄化システムです。
こうした取り組みのおかげで、えびの市全域で今年から稲作が再開されることになりました。
この取り組みを、高校生たちが世界に向けて発表することになりました。
この企画は、科学を通して海外の生徒と交流するさくらサイエンスプログラム(科学技術振興機構)の一環で、今年は2年生の希望者17人が参加、新型コロナの影響もあり去年からオンラインで海外との交流を行なっています。
今回の配信テーマは、硫黄山噴火による「水への影響」。
海外との交流を通して、生徒たちに身近な環境問題について考えてほしいという狙いがあります。
- 【話:宮崎大宮高校 橋口 宣文先生】
一番身近な宮崎県の私たちが抱えている水に対する問題を世界と共有したい、世界の人たちの意見を聞きたいというのが一番最初の思いです。
配信する内容や構成はすべて自分たちで考えます。英語でいかに分かりやすく伝えるかが今回の課題です。生徒たちは事前学習として実際に硫黄山の現状を取材、現地の人たちに当時の状況を聞くことで配信に向けたモチベーションも高まっていました。
- 【生徒の感想:事前学習を終えて】
噴火した直後は、川の水が結構真っ白だったけど、水質改善施設だけでこんなにきれいにできるんだと思いました。 - 【生徒の感想:意気込み】
硫黄山だけでなく、火山がある国は水質問題が必ずいつか起こりうると思うので、そういう時に何か助けになるような今回の配信になればいいと思って取り組んでいます。 - 【話:宮崎大宮高校 橋口 宣文先生】
人に対して何かを伝えるのがどれだけ難しいことか、それまでの工夫とか取り組みを通して自分で色んなことを学んでほしい、そういう機会になればよいと思っています。
そして遂に迎えた当日、リハーサル後、本番スタート!
いかに分かりやすく伝えるか、生徒たちが話し合いを重ね準備してきた内容が順調に進んでいきます。
配信ポイント
- 水質浄化の研究をしてきた「伊藤 健一准教授」に施設の目的をインタビュー
- 赤子川の水質が酸性を示すことをリトマス試験紙を使って説明
- 石灰石を使って酸性の水を中和させる浄化システムを紹介
海外の生徒たちはチャットで参加(ベトナム・台湾・シンガポールの生徒 約40名)
配信開始と同時に感想や施設についての質問が次々と送られてきます。
およそ一時間の生配信、なんとか無事に終了しました。
- 【話:大宮高校の生徒】
すごく緊張したんですけど、最後まで上手くできてよかったです。実際に学んでから自分たちが発表するとすごく理解できるなと思ったので、次は伝えることをいっぱいしていきたいです。
宮崎の現状を海外に伝えたいと準備してきた生徒たちの思いは、参加者にも伝わったようです。
- 【話:海外の生徒】
チャットでみんなと話せたのが良かったし、発表もすごく分かりやすかった。
水の浄化について説明が聞けてとても楽しかった。説明もシンプルで分かりやすくてとても良かった。
今回の挑戦はwithコロナという新たな時代を生きる生徒たちの大きな糧となりました。