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特集
2021年05月24日
ものづくりの現場と世界をネットでつなぐIT企業(2021年05月22日放送)
今回は、ものづくりの現場と世界をつなぐIT企業「refactory(守屋将邦 社長)」を紹介しました。
refactoryは「イノホイ」というウェブサイトを運営し、イノシシやシカを捕まえるための捕獲器(罠)などを販売しています。
獣が入ると閉じる箱穴「ファーレ旭式箱罠ビッグサイズ」は、全長が約2m・約130kgのイノシシを捕獲したこともあります。
この他にも落とし穴に仕掛けるくくり罠「イノシシほいほいくくり罠」なども扱っています。
refactoryの売り上げは、4年目で累計3億~4億。
購入者は農家や地方の自治体の方。購入される理由としては野生鳥獣による農業被害が深刻という背景があります。
令和元年度の野生鳥獣による農作物の被害額は約158億円。
全国で相次ぐ鳥獣被害により、イノホイには対策に乗り出す自治体や猟友会など、全国各地から注文がきているそうです。
もともと宮崎市のIT企業で働いていた守屋さんは、3年前のある出会いがきっかけで罠販売を始めました。
- 【話:refactory 守屋将邦 社長】
罠を作っている県内の製造メーカーの方が突然やってきて、「どうしてもこの罠をインターネットで売ってほしい」という思いを語られたため、本能的にこの人をこのまま帰してはいけないと思い、罠販売を始めました。
製造を行う現場の方達は、ものづくりにプライドを持って仕事をされているので、商品を知ってもらえれば買ってもらえるという情熱を感じました。
ネット販売で流通していないモノに光を当てて、そこにやりがいとビジネスチャンスを見出した守屋さんは、去年から本業として「refactory」を本格稼働。
一方で、罠の生産が追いつかないという課題もありました。
自治体などからは一度に1,000個単位で受注することもあり、生産が追いつかないという状況があった中、そのピンチをチャンスに変えたのが、県内のものづくりの力でした。
守屋さんが向かったのは、国富町にある九州オリンピア工業。
大型暖房機やサウナなどの熱源機器を製造する会社で鉄を扱うスペシャリストです。
- 【話:九州オリンピア工業 椎葉 茂彦 技術部長】
産廃ボックスに関しては、以前は手作業で実施していたが、量産に伴い製造作業をロボット化しました。
コロナ禍において仕事も減っているし、ありがたい話でした。
refactoryでは、罠を売るサイト「イノホイ」以外にも、作業現場で使用する商品を販売するウェブサイトを立ち上げ、この1年間で九州オリンピア工業に500個の産廃ボックスを依頼。
新型コロナの影響を受けるものづくりの現場を支えることにも繋がっています。
- 【話:九州オリンピア工業 大坪 幸博 営業部長】
こういう業界はインターネットで販売するということが根づいていないため、今回の産廃ボックスのようにインターネットで販売するというのは鉄を扱う者としては、なかなか考えが及ばなかった。
- 【話:refactory 守屋将邦 社長】
ものづくりをされていて工場でお勤めの方達の技術はすごく高いなと毎日感動することが多いです。
現場の方達には利用者の感謝の言葉を伝えていきたいです。
ものづくりの現場と世界をインターネットで繋ぐ「refactory」。
その根底にはものづくりをする人達への「respect」が込められていました。
これからも、ものづくりの現場とタッグを組んでの商いを楽しみにしています!