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特集
2019年09月30日
JFLの先進チームFC今「フットボールパーク構想」(2019年9月28日放送)
宮崎初のサッカーJリーグ入りを目指しているテゲバジャーロ宮崎。
現在JFLに所属しており、J3昇格を目指しています。
J3昇格には平均入場者数・成績・ホームスタジアムの整備など、ある一定の条件を満たさなければなりません。
そんな中今、J3昇格に最も近いと言われているチームがあります。
それは現在リーグ2位のFC今治です。
実はこのチームのオーナーは、元日本代表監督の岡田武史さん。
ホーム戦の平均入場者数はJ3の平均を超える3081人。試合の成績、入場者数ともにJ3昇格に最も近いチームなのです。
タオルと造船業で知られる愛媛県今治市。
ここが現在JFL2位につけているFC今治のホームタウンです。
チームは2012年に設立。
2014年から元日本代表監督の岡田武史さんがオーナーになりました。
地元の小さなサッカーアマチュアサッカーチームをわずか2年でJFL昇格に導きました。
ジュニアからトップまで今治で選手を育成する長期一貫指導「今治モデル」を掲げ、今年J3昇格を目指しています。チームを導く岡田さんは「Jリーグに昇格することが町を活性化したり動いていくスイッチになる。Jリーグに昇格することに全精力を注ぎたいと思う。」と話します。
その象徴が「ありがとうサービス.夢スタジアム」。
今治市内を見渡せる丘の上にスタジアムはあります。
初のホーム戦は5000人を超えるサポーターで埋め尽くされました。
スタジアム前に作られたイベント会場にはご当地グルメがずらりと並び老若男女が楽しめる仕掛け作りをしています。
サッカーがわからなくてもスタジアムを拠点に人と人とがつながる場所を創出するフットボールパーク構想を進めています。
その岡田オーナーの考えを形にしているのがFC今治の矢野将文社長です。
「満員のスタジアムを作ることがスポーツビジネスの原点。場所づくりだと思う。新たな出会いやサッカー以外でも楽しい仕掛け作りが一番最初でした。」と矢野社長は話します。
FC今治は周辺地域との関わりを大切にしてきました。
今治は宮崎と同じく少子高齢化が進む今治の町ですが、FC今治の取り組みとともに少しずつ変化が起きています。
FC今治のサポーターの二宮さんは「地域をあげて応援したいし、地域を元気にしてほしい。良い時も悪い時もお互い支え合いたい。」と考えています。
今月22日、夢スタジアムで行われたホーム戦。
台風17号による悪天候の中、スタジアム下に出店されたお店にはたくさんの人々が楽しい時間を過ごしていました。
お客さんたちは「このスタジアムができたから出会いがあり、知り合いが増えて生活が楽しくなった。」と嬉しそうに話していました。
FC今治の対戦相手は現在JFL6位のテゲバジャーロ宮崎。
会場に集まったサポーターはおよそ1700人。
子供から年配の女性まで駆けつけました。
試合の経過とともに強まる雨と風。しかしスタジアムを去る人はいませんでした。
今期J昇格を断念せざるを得なかったテゲバジャーロ宮崎。
複雑な思いを断ち切り、今年目標の4位以内を目指します。
そして迎えたこの日、後半のラストチャンスでテゲバジャーロの井原がゴールを決め、格上のFC今治から貴重な勝ち点3を奪いました。
テゲバジャーロ宮崎の倉石監督は夢スタジアムを「大変素晴らしいなというのが率直な感想。この雨でコンディションが悪い中これだけ多くのお客さんが来るということは今治の選手だけじゃなく町ぐるみで色々なことを巻き込みながらしっかりされているんだなと思った。」と話します。
地域コミュニティを核にして2025年、J1で優勝争いを目指すFC今治。
今シーズンでのJ昇格を断念することになりながらも前に進もうとするテゲバジャーロ宮崎。
サッカーと通して地域と歩む姿に、両チームのサポーターは遅くまで足を止めていました。
テゲバジャーロ宮崎の次のホーム戦は10月13日(日)13時~宮崎市生目の杜運動公園で行われます。
みなさんぜひ一度足を運んで地域とともに戦うチームにエールを送ってください。